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『スマブラSP』の誘いに乗れなかった初心者が、2時間の練習で対戦を楽しめるようになった話

2018年12月21日 12:32  リアルサウンド

リアルサウンド

 12月7日の発売以降、大ヒットを続けている『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下、スマブラSP)。Nintendo Switchあるところに『スマブラSP』あり、という感じで、当然、弊社にもある。人気キャラクターが多数登場することから、普段ゲームをしない層にもアピールする点が多く、また多人数対戦が面白いゲームとあって、対戦に“巻き込まれる”非ゲーマー、あるいは初心者も多いだろう。特に、年末年始の人が集まる場面では重宝するタイトルだが、人によっては、あまり楽しくない思いをすることになるかもしれない。例えるなら、運動が苦手な子がドッヂボールに誘われる感じ。「見ている方が楽しい」と断れば空気が悪くなるが、参加してもすぐに外野になってしまうーー。


(参考:『スマブラSP』難しかった隠しキャラ解放後の“燃え尽き”を「灯火の星」が救った話


 筆者もゲーム実況や格闘ゲームの大会こそよく見るものの、対人ゲームはあまり得意ではない。『スマブラ』も初心者だ。しかし、2日間の徹夜の末、全76キャラクターを解放し、「誰か対戦しませんか……」と力なく笑う同僚の姿を見ると、そうも言っていられない。ということで、軽く特訓してみることにした。


 とりあえずCPUと戦ってみよう。キャラクターは『ストリートファイター』シリーズのリュウがいい。格ゲー界のレジェンド・梅原大吾をインストールし、まずは最弱設定のCPUをけちらそう……と、操作方法もよく知らずにガチャガチャプレイをしてみるが、竜巻旋風脚が暴発し、一瞬で自分からステージ外に落ちて死んだ。みなさんご存じのように、『スマブラ』は一般的な格闘ゲームのように体力ゲージで勝負がつくのではなく、相手を吹っ飛ばしてステージから落とすゲームなのだ。


 まずはステージから落ちないこと。そう考えて画面中央に陣取り、相手を寄せ付けないようひたすら攻撃を繰り出してみる。Bボタン連打で波動拳を撒き散らし、相手の飛び道具はLRでガード。CPUの設定が弱いこともあり、これで意外となんとかなる。しかし、レベルを少し上げると、あっという間にステージ外に叩き落されることになった。対人戦ではより早く対策されるだろうし、何より自分が楽しくない。


 そこでもう一度考える。ステージ中央では、ほとんどガチャガチャプレイでも、相手が上級者でなければ、それなりに戦うことができそうだ。重要なのはやはり、ステージ外に落ちないこと。極論、ステージから落ちなければ負けないゲームなのだから、落ちそうになっても「復帰」する方法さえつかめば、対人戦でもそれなりに遊べるだろう。


 少し調べてみると、ウメハラリスペクトで選んだリュウというキャラクターは、「復帰力」が高くないらしい。ステージ外に落ちそうなところから復帰するとき、空中ジャンプのほか、上+Bボタンで上方に向かう特殊技(リュウの場合は昇竜拳)を出して距離を稼ぐことになるが、上にズバーンと飛ぶだけで、横方向にはあまり進んでくれない。初心者なので認識に違いがあったら申し訳ないが、「これは強者が使うキャラクターだ」と直感した。


 それでは、復帰性能の高いキャラクターはどれか。下調べをして実際に試してみた限り、「ロボット」と「しずえ」の「上B」が、初心者にも扱いやすかった。ロボットはバーナーで、しずえは風船で、ぐんぐん飛ぶことができる。この安心感はすごい。


 ただ、「上B」というコマンド自体、私のような初心者にはとっさにうまく出せなかったりもする。そのため、練習する間もなく「対戦しようぜ」という状況になったときは、ジャンプボタンを連打する(多段ジャンプ)だけで、距離が稼げる「カービィ」や「ピット」が使いやすそうだ。ゲームに詳しくない人は「ピットとは?」となりそうだが(『光神話 パルテナの鏡』に登場する天使だ)、初心者がおそるおそる戦うのに心強い飛び道具(弓矢)もあり、「上B」でも方向キーを傾けた方向にぐーんと進んでくれるので、かなり使いやすく感じた。ついでに言うと、天使だけにビジュアルも美しい。


 さて、ここまで1時間半。そこから30分ほどトレーニングモードでピットを動かしたのち、CPU戦に戻ってみると「なんとなくスマブラできてる!」という実感が得られた。キャラクターの相対的な強弱や相性などはよくわからず、ガチの対人戦ではまた違った問題も明らかになりそうだが、初級者同士ならそれなりに楽しくプレイできそうだ。


 「スマブラやろうぜ」という誘いを「“スマハラ”だ……」と、ある種のハラスメントと捉えてしまうような人は、とりあえず「ピット」を選び、まずはステージから落ちないことを意識して立ち回ってみてはどうだろう。


(文=編集部)