マイナビは12月18日、「2018年度マイナビ就職活動に対する保護者の意識調査」の結果を発表した。調査は今年11月にWEBで実施し、大学4年・大学院2年で今年就職活動を終えた、もしくは現在活動中の子どもの保護者と、2018年3月に大学・大学院を卒業した子どもの保護者、計1000人から回答を得た。
「子どもに働いてほしい業界」を聞くと、1位「官公庁・公社・団体」が969ポイントで抜きんでており、2位「医療・調剤薬局」(462ポイント)、3位「総合商社」(414)、4位「薬品・化粧品」「教育」(いずれも303)がランクインした。
約半数の母親「新卒で入社する会社で正社員として長く勤めてほしい」
「働いてほしい企業」を聞くと、トップの「公務員」が170ポイントでずば抜けて人気があり、以降「トヨタ自動車」(36ポイント)、「NTT」(18)、「日本航空(JAL)」「パナソニック」(いずれも13)といった保護者世代にもよく知られている企業が票を集めた。
「社会人としての子どもの働き方」については、「新卒で入社した会社で正社員として長く勤めてほしい」(39.1%)が最も多く、次いで「子どもが決めたのならどんな働き方でもよい」(36.1%)が続く。
母親は「新卒で入社する会社で正社員として長く勤めてほしい」(46.5%)が最多である一方、父親は「子どもが決めたのなら、どんな働き方でもよい」(40.9%)が最も多いことから、母親のほうが子どもの新卒終身雇用を希望する思いが強いことが明らかになった。
「入社して欲しい企業の特徴」を聞くと、約半数の親が「経営が安定している」(46.2%)と回答しており、「安定=公務員・大企業」という印象がランキングに影響していることがうかがえる。
「全ての企業で全額交通費が支給。何社か回るとものすごい小遣いになった」
「金銭的支援以外で、子どもへの就職支援として行ったこと」については、1位「あまり気を遣わないような雰囲気や環境作り」(45.9%)、2位「身だしなみを整える手伝い」(26.5%)、3位「企業選びのアドバイス」(21.3%)という結果だった。
また子どもの就職活動環境について、「楽な環境」と回答した保護者は前年比4ポイント増加の38.5%に上り、売り手市場であることを就活生の保護者も実感しているようだ。
バブル期の1986年~1992年に新卒で就職活動をした保護者に、自身の就職活動についての思い出」を聞くと、「交通費が支給されることが多かった」(27.9%)が最多で、以降、「スーツ(色や形)が自由だった」(27.1%)、「就職情報誌が山のように届いた」(26.8%)だった。また、19%が「10月1日に内定拘束(例:旅行に連れて行かれたなど)があった」と、バブル世代独特の就活事情を語る意見もあった。
就職活動の思い出を聞くと、
「売り手市場の時だったので、内定の時に車をもらっている会社もあった」(母親・文系)
「超売り手市場だった為、全ての企業で全額交通費が支給され、週末に東京などで何社か回るとものすごい小遣いになった」(父親・理系)
「就職情報誌に載っていた資料請求ハガキを送っただけなのに、内定の電話がかかってきたことがあった」(父親・文系)
「ペパーミントグリーンのスーツや半袖のスーツを着て就活をして、今では考えられない」(母親・文系)
「多くの企業から内定をもらったので、その内定を断るのが大変でした…。詫び状を書いたこともありました」(父親・文系)
といった、今の時代では考えられないエピソードが、多数寄せられた。