忘年会シーズンに突入し、飲み会が続いている人も少なくないだろう。仲間内のフランクな飲み会ならいざしらず、職場の飲み会では妙なしきたりや慣習が残っていることもある。
グラスが空く前に、誰かがビールを注ぎ足してくるのもその1つだろう。ブロガーのらくからちゃさんは12月15日、ブログで、「わたしが苦手なのは、まだ飲みきってもいないのに、ちょっとでも空きがでたもんなら『どうぞどうぞー』と継いでくる人の存在」と書いていた。
これ以上ビールを飲みたくないと思っていても、注ぎ足されたら飲まなければならなくなってしまう。ついつい飲んでいるうちにお腹が膨れたり、酔いすぎたりすることもある。
ビールが手元に来たらすぐに飲み始める「レスキュー・ビール」提唱する人も
ITジャーナリストの佐々木俊尚さんは、上記のブログを引用し、「コップに注ぎ足しながら飲むというあのやり方は本当ビール不味くするし、『奇習』と言い切っていいんじゃないかと思うけど、まだやってる人いるんですかねえ」とツイートしていた。
ビールを継ぎ足すと、せっかく冷えたビールとぬるいビールが混ざってしまい、いつまでたっても鮮度の高いビールが飲めないことになる。
他にも、乾杯するまで全員が飲み物に口を付けずに待つという慣習がある。ごく自然なことのようにも思えるが、青山学院大学の三浦哲哉准教授(映画批評)は12月18日、自身のツイッターで、このしきたりに苦言を呈した。
「私は『乾杯まで全員が飲まずに待つ』という習慣も勝手に捨てていて、来たら即飲み始めることにしている。どんなに偉い人物が臨席していてもである(中略)。ビールより偉い存在など酒席には存在しないからだ。乾杯を待って炭酸をみすみす逃すことが耐え難い」
三浦准教授によると、理想の飲み方は「プロが絶妙な泡でサーブしたグラスを、届いたら、さっとなるべく早く喉に入れる飲み方」だという。いつもプロが注いでくれたものを飲めるわけではないが、せめて炭酸が抜ける前に飲みたいということのようだ。三浦准教授は、手元に届いたビールをすぐに飲み始めることを「レスキュー・ビール」と名付けていた。
「主賓や家長の料理が来るまで誰も箸をつけずに待つ」振る舞いに違和感
三浦准教授は、続けて、
「ときたま見かけるのは、主賓とか家長の料理が来るまで、誰も箸をつけずに待つという図。仮にそういう気遣いが発動したのだとして、そこで『あ、すぐに食べてね、冷めるから、麺が伸びるから』と言えないのは完璧にダメだと私は思う」
ともツイート。主賓や家長に限らず、料理が揃うまで誰も手を付けないということは往々にしてある。しかし料理が冷めたり、麺が伸びたりしてしまう。せっかくの料理を美味しく食べるためには、届いてすぐに食べるのがよいのだろう。