12月20日、都内のホテルで2018年第51回内閣総理大臣杯 日本プロスポーツ大賞の受賞式典が行われ、モータースポーツ界からは中嶋一貴、山本尚貴、松下信治の3名が各賞を受賞した。
日本プロスポーツ大賞は、在京メディア35社の選考委員がその年に顕著な活躍をみせたアスリートや団体を選出し、その功績を讃え表彰するもの。歴代大賞受賞者にはイチローや錦織圭、古くは王貞治、長嶋茂雄といったそうそうたる人物らが名を連ね、2017年にはインディ500を制した佐藤琢磨が殊勲賞を獲得している。
そんな日本プロスポーツ大賞の最高賞である内閣総理大臣杯大賞は、アメリカ大リーグのエンジェルスで二刀流に挑戦し、見事アメリカン・リーグの新人王を獲得した大谷翔平選手が受賞。大谷は2016年以来、自身2度目の大賞獲得となった。
モータースポーツ界では3名のドライバー式典に出席すると、全日本スーパーフォーミュラ選手権でルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた松下が新人賞を受賞したほか、自身2度目のスーパーフォーミュラシリーズチャンピオンとなった山本には功労賞が贈られた。
さらに、ル・マン24時間で日本人初の日本車での総合優勝を達成したことで先月末、JAFモータースポーツ特別賞を受賞した一貴が、ここでも特別賞を手にした。なお、同賞は日本中央競馬で前人未到の4000勝を挙げた武豊騎手との同時受賞となっている。
式典後、囲み取材に応じた一貴は「大変光栄な賞を頂いたと思っていますし、やはり世界三大レースのひとつであるル・マン24時間で勝つという、ことの大きさを改めて実感しています」とコメント。
「長年の夢であったル・マンでの優勝を達成できましたが、これで自分のキャリアが終わるわけではないので、まだまだ頑張っていかないといけないと思います」続けた。
また、2018年シーズンを振り返るよう求められると、「WEC世界耐久選手権だけでなく日本国内のレースを含めて振り返った場合、全体的にはあまりいい年ではなかったです」と語った一貴。
「(ル・マンを含むWECの)序盤戦で勝つということをずっと長年の夢としてやってきたので、それを達成できたのはひとつ大きな節目になったシーズンになったかとは思います」
「しかし、ほかのレースのことを考えると、あまり納得の行くシーズンでは決してなかったので2019年はさらに良い年にできるように頑張りたいです」
その2019年シーズンについてはWECの2018/19年シリーズチャンピオンを目指すと明言した上で、「そのためには2019年のル・マンでもう一度勝たなくてはいけないと思っているので、冬の間に準備を進めていきたい」と抱負を述べている。
最後に、他の受賞者について問われた一貴は「みなさん、普段テレビで見る方々ばかりなので、眼の前にいることに少し違和感を覚えました」と笑顔で返答。
「そのなかでもやはり、大谷選手のサイズというか、日本人離れしたスタイルはすごく印象に残っています」と語った。