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長濱ねる&織田奈那、欅坂46のバラエティ班としての重要性 『オールナイトニッポン』を聞いて

2018年12月20日 10:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 欅坂46(以下、漢字欅)の長濱ねるが単独でパーソナリティーを担当したラジオ『欅坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)が、12月12日に放送された。長濱のフリートークの面白さと意外なキーワードの数々は、改めてラジオDJとしてのポテンシャルの高さを感じさせる。そしてパートナーを務めた織田奈那とのトークの相性も良く、漢字欅関連で今年ベスト級の面白い放送となっていた印象だ。そんな長濱と織田の2人は今年、漢字欅の中でも大活躍したメンバーと言え、それぞれ地元の大使に就任したり、ドラマや短編映画で主演を務めたり、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に2人で出演したりなど、タレントとして飛躍した1年だったように思う。


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 今年20歳になった長濱の活躍はめざましく、地元の長崎で開催された『長崎ランタンフェスティバル』のメインイベント“皇帝パレード”で皇后役として出演し、長崎市観光大使に就任。7月にはドラマ『七夕さよなら、またいつか』(日本テレビ系)で単独初主演を果たし、8月には2週に渡り生放送された初の冠番組『ねるねちけいONLINE!』(NHK総合)で司会に挑戦。ほか『AGAヘアクリニック』のCMに単独で出演したり、読書好きゆえに本関係のインタビューが増えたりなど、漢字欅以外での大きな仕事にも挑み、アイドルだけでなくタレントとしての“長濱ねる”の存在価値も確立した1年だった。


 アーティストとしては、3月にリリースされたAKB48の51枚目のシングル『ジャーバージャ』(Type E)に収録された、坂道AKBの「国境のない時代」でセンターを務めたこと。SKE48の松井珠理奈、HKT48の宮脇咲良、乃木坂46の齋藤飛鳥・堀未央奈がフロントメンバーとして脇を固めるという超選抜チームの中でのセンター抜擢は、今年のアイドル界の顔に選ばれたと言っても過言ではない。キャラが濃い洗練されたメンバーの中で、他とは違う柔和な愛らしさが目を惹いた。


 そして長濱をより知ることができたのが、6月にリリースされたけやき坂46(以下、ひらがなけやき)の1stアルバム『走り出す瞬間』(Type-B)に付属された『ひらがな全国ツアー2017 Live & Documentary』。ひらがなけやきの歴史=ひらがな創立者である長濱の生い立ちであり、“長濱ねるとはいったい何者なのか”ということを改めて知ることができた。ひらがなけやきの一つの完成形を見せた武道館公演で、創立者の長濱がいないというのも実にドラマチックな展開で、いないからこそ彼女の存在がさらに神格化されたとも言える。そんな長濱は、自身のソロ曲「100年待てば」が今でもひらがなけやきで受け継がれていたり、ラジオ番組などでひらがなけやきの名前をよく口にしたりと、今でも漢字欅とひらがなけやきを繋ぐ橋の役目を果たしている。7月7日にドラマの連動企画として『けやき坂46 七夕SPゲスト長濱ねる ~一夜限りの再会~』を開催したことも印象的だった。


 一方、今年は髪を短く切りイケメン度が増した織田は、12月16日に放送された『欅って、書けない?』(テレビ東京・以下、『けやかけ』)の企画で、今年の漢字一文字を「浜」と発表。故郷である静岡県浜松市に関連した仕事が多かったからと説明した。そんな浜松市を舞台とした短編映画『未来のあたし』で初主演を務めたり、浜松市の魅力を国内外にPRする“浜松市やらまいか大使”に任命されたりと、公式に浜松市を代表するアイドルとなった織田。また浜松の名産である“三ケ日みかん”好きを公言し、ラジオCMにまで起用されている織田は、12月4日放送の『NHK 沼にハマってきいてみた』(Eテレ)で、ファンも想像していなかった“みかん好きアイドル”という新ジャンルを開拓し、単独出演。『けやかけ』で培ったバラエティ力でいいリアクションを連発し、見事にその大役を果たした。


 そんな長濱と織田が2人で『踊る!さんま御殿!!』に出演した際には、笑顔で互いにディスりあいながらも、以前に出演したことがある長濱がアシストする形で、織田が外のバラエティ番組でも活躍するきっかけを作っていたように思う。そんな絶妙な関係の2人だからこそ、『欅坂46のオールナイトニッポン』でも相性の良いトークを繰り広げられたのだろう。


 独り言に関してのトークで、織田は長濱について、「(楽屋で)メイクをしていたら、後からメンバーが何人か入って来たんだけど、『よいしょよいしょ(よいしょっしょ)』って声が聞こえてきたのよ。私はメイクをしていたから目をつぶっていたんだけど、『わ、ねるが来たなあ』ってすぐ分かった(笑)」(引用:欅坂46メンバーが暴露! 長濱ねるの口ぐせは「よいしょっしょ」)と笑いながら語る。 一方、長濱も織田の口癖に関して「たしかにー(無感情)ってめっちゃ言うね。(人の話)聞いてない~って思うもん」と、お互い笑いながらも微妙にけなし合う関係性が実に面白い。今回のラジオを聞いて、気を使わずに楽しく話せる仲が微笑ましく感じると同時に、今年1年の様々な経験から2人とも確実に成長し、どこかいい意味での余裕ができたような印象も受けた。


 今年は漢字欅から今泉佑唯、志田愛佳、米谷奈々未が卒業したこともあり、長濱と織田が漢字欅のバラエティ班としてより大きな存在となっていくことは間違いない。来年には、2期生との新しい漢字欅を牽引していくキーパーソンにもなるはずだ。(文=本 手)