北米シングルシーターのCARTや、NASCARでの優勝経験も持ち、長年ラリーレイドでも活躍を演じてきたスタードライバー、ロビー・ゴードンが2年ぶりにダカールラリーに復帰。2019年1月6日から開幕する南米ペルー単独開催の第41回大会にエントリーする。
1992年から8シーズン参戦したCARTシリーズでは通算2勝、同じ時代に並行してチャレンジを続けてきたNASCARスプリントカップシリーズでも、2012年までのキャリアで通算3勝を挙げているゴードンは、2005年シーズンからダカールラリーにもレギュラー参戦を開始。
11年連続の出走で通算6回のステージ勝利を記録するなど2輪駆動のバギーで活躍し、2009年には自身の代名詞でもあるハマーをドライブして総合3位に食い込んでみせた。
また近年は自身の発案によるスタジアム・スーパートラック・シリーズの“スピードエナジー・フォーミュラ・オフロード”を立ち上げるなど精力的な活動を続けていたが、2017年には同シリーズで訪れたオーストラリアの市街地で、競技トラックでドーナツターンを披露したことが問題視され、同国のモータースポーツ連盟(CAMS)から競技ビザを無効とされる厳しい状況も経験した。
すでに調停も終えライセンスも再発行となり、さらにオーストラリアの交通安全協会に寄付金も贈呈したゴードンは、この2019年大会からダカールラリーにも本格復帰。同イベントで長年タッグを組んできたケロン・ウェルシュとともに、自身も開発に携わったテキストロン社製のオフロードレーサー、『ワイルドキャットXX』で参戦することを決めた。
「ケロンは過去4大会のうち、3度も僕のナビゲーターを務めてくれた旧知の仲だ。ペルーに向かいクラス優勝はもちろん、総合でも良いポジションを獲得するには、彼以上に強力な人材はいないだろうね」と意気込みを語ったゴードン。
49歳のゴードン率いるこのチーム・スピードには、同じくスピードエナジー・フォーミュラ・オフロードに参戦するブレード・ヒルデブランド、コール・ポッツの2名も参加。ともに『ワイルドキャットXX』をドライブする。
ポッツは元バハ1000勝者のマックス・エディとペアを組み、ヒルデブランドはダカールの2輪部門でステージ優勝の経験を持ち、2016年にはゴードンのチームメイトを務めたシェルドン・クリードとのタッグで挑む。
クリードは長年オーバル・シリーズでのキャリアを築いており、2018年は北米のストックカーであるARCAレーシング・シリーズでタイトルを獲得。2019年はNASCARトラック・シリーズへの参戦も決まっている。
「ダカールラリーは、その歴史上で最も偉大で有名なアメリカ人コンペティター、ロビー・ゴードンの復帰参戦を歓迎し、とてもうれしく思っている」と語るのは、大会コーディネーターのハビエル・ガヴォリ。
「彼の積極的で攻撃的なドライビングスタイルと、優れたショーマンシップはダカールラリーにおける語り草でもあり、チーム・スピードは2019年大会で要注目チームの筆頭になるだろうね」
テキストロン社製のオフロードレーサー『ワイルドキャットXX』は、北米のオフロード・レーシング協会であるSCOREインターナショナルの認可を受けており、ダカールラリーではオープンクラスからのエントリーとなる。
ダカールラリー2019年大会は、年明け1月6日から17日にかけて全10ステージ、5541kmの勝負が幕を開ける。