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BTS、TWICE、IZ*ONEらが出演 『2018 MAMA』授賞式から見えた、K-POPの今

2018年12月19日 08:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 2018年も、残すところあと2週間ほど。世の中はすっかり年末といった雰囲気だ。それはもちろんK-POPをはじめとする音楽業界も同じで、秋頃から始まった今年の賞レースもいっそう盛り上がりを見せている。その中でも『Mnet Asian Music Awards(MAMA)』は年末の風物詩といった様相で、多くのK-POPファンが注目をしている音楽授賞式の一つだ。


(関連:『2018 MAMA FANS’ CHOICE in JAPAN』写真


 今年も12月10日から14日までの間で、韓国、日本、香港の3地域で開催され、それぞれの場所で大きな盛り上がりを見せた。今回は12日に日本で開催された『2018 MAMA FANS’ CHOICE in JAPAN』の模様とともに、今年のK-POPを振り返ってみたい。


■アジアで一番注目されている『MAMA』
 『Mnet Asian Music Awards(MAMA)』は、CJ ENM主催のアジア最大級の音楽授賞式だ。1999年『Mnet KM MUSIC Festival(MKMF)』としてスタートし、約10年間は韓国内で開催、その後2009年『Mnet Asian Music Awards』に名称を変え、今年で10年目を迎えた。


 『MAMA』になってから2010年にマカオ、2011年にはシンガポール、2012年~2016年までは香港で行なわれた。2017年から日本でも開催され、今年で2回目となる。現在では世界の音楽ファンたちが毎年注目し、楽しまれているアジア最高の音楽祭として成長し続けている。


 2回目になる今年の日本公演は、『2018 MAMA FANS’ CHOICE in JAPAN』という名前で開催され、日本だけの受賞部門「Worldwide Fan’s Choice TOP10」が設置され、ファンの投票によるTOP10が発表された。


■他では見られない豪華なセットと演出が『MAMA』の最大の魅力
 『MAMA』の最大の魅力は、通常のコンサートやイベントでは見られないような豪華なセットや、演出、そしてスペシャルステージだろう。出演するグループたちは、この『MAMA』に向けて特別なパフォーマンスを準備してくるのが常であり、伝説のパフォーマンスが生まれることも多々あるのだ。K-POPファンにとって『MAMA』は年末の最大の楽しみの一つでもあるのだ。


 今年の『MAMA』は、さいたまスーパーアリーナを使い開催されたが、通常のステージではなく、アリーナの真ん中に大きなステージを作り、両方に伸びる花道と、そして後方に設置されたサブステージという構成だった。天井からは大きなシャンデリアのようなモニターが下がる。そしてファンから見える位置に出演陣が座り、出番を待機をするという構成だった。この会場を見て、始まる前からどんなステージを見せてくれるのか、期待で胸が高まったはずだ。


 もちろん、今年の出演者陣もそれぞれがいつもと違うアレンジやダンス、ユニットなど『MAMA』でしか見られないパフォーマンスを見せてくれた。特にオープニングを飾ったWanna OneやTWICEなどによる2PM、少女時代、BIGBANG、などのK-POPの黄金期を支えてきた先輩たちの曲を振り返るカバーパフォーマンスは、以前からのK-POPファンの胸を熱くしたのではないだろうか。こういったスペシャルコラボレーションも、『MAMA』ならではだろう。


 それぞれの出演者がこの日のためのパフォーマンスを披露したわけだが、筆者の目を惹きつけたのは、MAMAMOOだ。ステージ後方に用意されたサブステージで、キラキラした光の中で始まったのはポールダンス。最初はどこかのダンサーが踊っているのかと思っていたが、実はメンバーの一人であるソラだった。彼女のパフォーマンスからスタートし、他の3人のメンバーたちが自分たちの個性を押し出したソロパフォーマンスを披露。特にファサの抜群のプロポーションでセクシーさを前面に押し出した衣装が注目を浴びた。そして、4人が集まると、圧倒的な歌唱力と表現力で「Egotistic」と「Starry night」をパフォーマンス。大きなステージにも物怖じしない堂々としたステージにため息が出た。


■圧倒の4冠! 今年は「BTSの年」だった
 日本公演の出演者で注目を浴びたのはBTS(防弾少年団)だろう。そして、日本人メンバー3人を擁するTWICEや、AKB48グループが出演したサバイバル番組『PRODUCE 48』から生まれたIZ*ONEの出演も今回の目玉だった。


 他には、今年いっぱいで活動期間が終了するWanna One、自分たちの世界観を確立させたMONSTA Xや、実力派女性ボーカルグループ・MAMAMOO、『PRODUCE 101 シーズン2』で人気に火がついたNU’EST W、サバイバル番組から生まれたJYPエンターテインメントの新人ボーイズグループ・Stray Kids、そして日本からはスターダストプロモーション所属のアイドルグループ、超特急が出演。各自がこの日だけの特別なパフォーマンスを見せてくれた。


 『2018 MAMA FANS’ CHOICE in JAPAN』の最後のパフォーマンスを飾ったのは、BTSだった。センターステージを被る大きな手が現れたかと思えば、黒い衣装をまとった大人数のダンサーたちがステージを覆う。独特な世界観の中で力強いダンスパフォーマンスを披露、そして「FAKE LOVE」へと入っていく。会場の中はほとんど彼らのファン・ARMYなのではないかと思うほどの悲鳴に近い歓声と揃った掛け声。さいたまスーパーアリーナは、BTSの世界になっていた。


 そして、ステージの雰囲気が一転して始まったのが「Anpanman」だ。名前の通り、日本人には馴染みの深いアンパンマンが題材になった曲だ。タイトル曲ではないアルバム収録曲であるこの曲を日本でパフォーマンスをするとは、なかなかニクい演出だ。もちろん、ファンにはおなじみの曲で、揃った掛け声とともに、彼らのパフォーマンスは熱い渦の中で終了した。


 パフォーマンスの後、熱が冷めやらぬまま最後の賞が発表される。最後の賞は「Worldwide Icon of The Year」だ。今回の『2018 MAMA FANS’ CHOICE in JAPAN』の中では一番大きい賞になる。プレゼンターの俳優、チャン・ヒョクがステージに現れ、受賞者を発表する。「BTS!」という名前が呼ばれると、会場は割れんばかりの歓声に包まれた。


 トロフィーを手渡され、BTSのメンバーたちの挨拶が終わると、そのままフィナーレへ。今年の『2018 MAMA FANS’ CHOICE in JAPAN』は、終了した。ファンと共にお祝いをできる、これこそ、授賞式ならではの楽しさなのかもしれない。


■新人が目立った今年の『MAMA』。来年は……?
 日本で発表された受賞は、前述した日本だけに設置された受賞部門「Worldwide Fan’s Choice TOP10」をはじめ、他には「Favorite Dance Artist Japan」、「Favorite Music Video」、「Favorite Vocal Artist」、「Favorite Dance Artist Female」、「Favorite Dance Artist Male」、そして「Worldwide Icon of The Year」だった。


 その中でもBTSは、この賞の中の「Worldwide FAN’S CHOICE TOP10」、「Favorite Music Video」、「Favorite Dance Artist Male」、「Worldwide Icon of The Year」の4つの賞を受賞した。他の音楽アワードの結果を見ても、ほとんどの大賞をBTSが取っており、まさに2018年は“BTSの年”と言って間違いはないだろう。 


 出演者陣でいえば、今年の『MAMA』は全体的に新人グループやアーティストが多かった。それだけ新しい世代が育ってきているということでもあるだろう。来年は現在新人である彼らがどのように成長し、羽ばたいていくのか? そしてBTSを超えるアーティストやグループが出てくるのか?(西門香央里)