12月13~15日、アブダビのヤス・マリーナで行われた耐久レース『ガルフ12時間』。このレースに、2019年から本格的にマーケットに投入されるGT3カーが3車種姿をみせた。なおレースはミハイル・ブロニツェウスキ/ダビデ・リゴン/アレッサンドロ・ピエールグイディ組ケッセル・レーシングの11号車フェラーリ488 GT3が優勝を飾っている。
F1アブダビGPの舞台であるヤス・マリーナで争われるガルフ12時間は、今年で8回目を迎えるレース。今季は18台のGT3カーをメインに、6台のGT4、5台のカップカー、4台のLMP3カーと合計33台が集い、12月13日のプラクティス、14日のプラクティス/予選、そして15日に6時間ずつ2パートで行われた決勝が行われた。
このレースで注目を集めたのは、2019年にマーケット投入が予定されている3種類のGT3カーが6台も登場したことだろう。19年には日本へも登場が噂されている新型アストンマーチン・バンテージGT3は、ビーチディーンAMR、オマーン・レーシング・バイ・TFスポーツ、そしてブランパンGTを戦い、19年からはDTMドイツツーリングカー選手権にも参戦するRモータースポーツから1台ずつが参戦した。
なかでも最上位となる4位でフィニッシュしたのは、アーメド・アル・ハーティー/ジョニー・アダム/ダレン・ターナー組がドライブしたTFスポーツの97号車。「終盤3番手に近づいていたけど、時間がなかったね。もう1スティントあれば表彰台に上がれたと思う」とターナーは語る。
「とはいえ、酷暑のなかでこの新型のGT3カーで戦うことが参戦する理由のひとつだったので、それについては多くのインフォメーションを得られたよ」
一方、ベン・バーニコート/アルバロ・パレンテ/シェーン-ヴァン・ギズバーゲンというトリオで参戦したのは、マクラーレン・カスタマー・レーシングとしてエントリーした5号車マクラーレン720S GT3だ。
GT3カーとしては異例とも言えるカーボンモノコックをもった720S GT3は、このガルフ12時間がグローバルでのレースデビュー。予選ではGT3カーの2番手となる3番手グリッドを奪いその速さの片鱗を示すが、決勝ではサスペンショントラブルもあり、総合8位でフィニッシュした。
「我々のカスタマーが将来、720S GT3でライバルに打ち勝つために、今回他車とホイール・トゥ・ホイールで戦うことができたのは、貴重な教訓となった」とマクラーレン・オートモーティブのダン・ウォルムスリーは語っている。
「これまでのマクラーレン720S GT3での設計、組み立て、テストで学んできた経験を加えて、マクラーレンは今後の見通しに自信をもって成長できている」
今回アテンプト・レーシングから参戦した2台のアウディR8 LMSエボも、来季から本格的に投入される2019年モデル。そのうち、クレメンス・シュミット/ショーン・ウォーキンショー/ジョルジオ・ローダ組44号車が3位でフィニッシュし、そのポテンシャルを示している。
このアブダビでのガルフ12時間に登場した2019年モデルの3台は、ひょっとすると3台とも来季スーパーGTで観られる可能性も浮上している。それぞれが示した高いポテンシャルは、日本のファンにとっても注目と言えるだろう。