ダニエル・リカルドの特徴である大きな笑顔は、彼の幸福な感情を表しているが、彼には感情が逆の方へ大きく流されてしまったこともあったという。
そのような瞬間のひとつは2015年の夏、ジュール・ビアンキが死亡した後に起きたという。マルシャのドライバーだったビアンキは、2014年に鈴鹿で開催された日本GPで負った頭部の外傷が元で死亡した。
ビアンキとリカルドのふたりは、下位カテゴリーでしばしばホイール・トゥ・ホイールの戦いを見せていた。お互いをよく知っており、コース上でライバル関係を築き、コース外では友情を育んでいた。
リカルドはビアンキの死がいかに影響を与えたかを思い起こした。
「2015年にはいろいろなことが起きた。人生において、特に個人的なレベルでね」とリカルドはレッドブルF1での最後のポッドキャストで明らかにした。
「ジュールの死は僕に想像以上の影響を与えた。当時僕の人生にはいくつか出来事が起きていて、ある意味では次のバージョンである今の自分を形作ったと言える」
ビアンキは、ハンガリーGPの数日前に、多くのF1関係者たちに見守られて埋葬された。
「それからすぐのレースはハンガリーGPで、僕はその年で初めての表彰台を獲得した。チームにとってはダブルポディウムだった。その週末全体がとても感傷的だったのを覚えている」
「表彰台を獲得したことは最高の気分で、大きな安堵と感謝の気持ちの瞬間だった」
7度のグランプリ優勝経験を持つリカルドが、F1でも最も人気のあるドライバーのひとりであることには疑いの余地がない。彼はレッドブルで5シーズンを過ごした後、ルノーへ移籍し、2019年にはF1キャリアにおける新しい章をスタートさせる。