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『芥川賞』『直木賞』候補発表 古市憲寿、森見登美彦、町屋良平ら

2018年12月17日 20:11  CINRA.NET

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古市憲寿『平成くん、さようなら』表紙
『第160回芥川龍之介賞』および『第160回直木三十五賞』の候補作品が発表された。

『芥川賞』候補に選ばれたのは、上田岳弘『ニムロッド』、鴻池留衣『ジャップ・ン・ロール・ヒーロー』、砂川文次『戦場のレビヤタン』、高山羽根子『居た場所』、古市憲寿『平成くん、さようなら』、町屋良平『1R1分34秒』の6作品。上田は3度目、町屋は2度目の候補選出、鴻池、砂川、高山、古市は初選出となる。

『直木賞』候補は、今村翔吾『童の神』、垣根涼介『信長の原理』、真藤順丈『宝島』、深緑野分『ベルリンは晴れているか』、森見登美彦『熱帯』の5作品。森見は3度目、深緑と垣根は2度目の候補選出、今村と真藤は初選出となる。

選考会は1月16日16:00から東京・築地の新喜楽で行なわれる。

今回の『芥川賞』候補で注目されるのは、自身の初小説『平成くん、さようなら』が候補作となった古市憲寿だろう。社会学者として著書を発表しながら、テレビなどのメディアでコメンテーターとしても活動しており認知度の高い古市だけに、小説の作品評価とともに、選考結果が話題になりそうだ。そのほか、元自衛官で都内区役所に勤務するという肩書の持ち主の砂川文次、『創元SF短編賞』出身の高山羽根子、『青が破れる』の町屋良平にも注目したい。

『直木賞』候補では『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話大系』『有頂天家族』『ペンギン・ハイウェイ』などで知られる森見登美彦に注目。3度目の候補作『熱帯』は作者自身が「我ながら呆れるような怪作」と語る長編小説。幅広い層からトップクラスの人気を誇る作家だけに、「3度目の正直」で受賞を果たすかファンならずとも気になるところだろう。