第5シーズンにあたる2018/19年シーズンからABBフォーミュラE選手権にワークス参戦を開始したニッサンは、12月15日にサウジアラビア・リヤドのディルイーヤで行われた第1戦でセバスチャン・ブエミ(ニッサン・e.ダムス)が6位、オリバー・ローランド(ニッサン・e.ダムス)が7位に入り、デビュー戦でダブル入賞を果たしてみせた。
マシン内外ともに一新された新型シャシー“Gen2”の登場やレースフォーマットの変更、フェリペ・マッサ、ストフェル・バンドーンといったF1経験者の新規参戦などにより、より注目が高まっているフォーミュラEの第5シーズンが開幕した。
同シリーズに、ニッサンはアライアンスを組むルノーと入れ替わる形で参戦を開始。ルノーと組んでいたe.ダムスとの共闘でデビューイヤーに挑む。
サウジアラビアの首都リヤド郊外の街、ディルイーヤで行われた開幕戦は、朝から降り続いた雨の影響で練習走行1回目がキャンセルに。予選も通常とは異なり、11台ずつの2グループに分かれてアタックが行わる形式で行われた。
この変則フォーマットの予選でニッサン勢は第1グループから出走したブエミが3番手に、第2グループから出走したローランドが14番手を獲得した。
■オリバー・ローランドは「レース終盤のペースは充分な速さがあった」と自信
決勝レースでは各所でバトルが勃発し、終盤にはセーフティカーが導入されるなど荒れた展開に。ブエミはオープニングラップで2番手に順位を挙げて優勝も射程圏に捉えたものの、終盤はライバルに追い抜きを許し6位でフィニッシュ。ローランドは予選グリッドから7つ順位を上げて7位に入り、ニッサンのデビューレースをダブル入賞で飾った。
3番手でスタートするも6位フィニッシュとなったブエミは「(特定のコーナーでアクティベーションゾーンと呼ばれるラインを通ることで作動する)アタックモードは起動に少しタイムロスがあるが、(その後一定期間)大きなパワーを得ることができる。しかし、これを適切なタイミングで活用できず、ポジションを落とすことになった」と悔しさをにじませる。
「また、雨の後でグリップがあまりなく、難しいレースだった。次戦のマラケシュ大会に向けて、できる限りの改善と準備を進めていこうと思う」
予選14番手から順位を上げ、決勝を7位でフィニッシュしたローランドも、フォーミュラEの難しさを語っている。
「スタートはとても混沌としていたが、レース終盤のペースは充分で、7位でフィニッシュできてうれしく思う」とローランド。
「僕はシミュレーターで多くの準備をしてきたが、レースの難しさは毎周バトルする相手がいて、つねに攻められるということなんだ。もう少しレースを戦えばその難しさにも慣れ、より速く走るために細かいことにも集中できるようになるはずだよ」
「天候が悪く、何が起こるか予想できないレースだったが、チーム全体で素晴らしい仕事をしてくれた」
一方でチーム監督のジャン-ピエール・ドリオはふたりの走りについて「今日のレースには満足している。ブエミとローランドはともに素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたし、2台のマシンがともにポイントを獲得した」と賞賛した。
「我々は明日もテストを行い、今後のレースに向かってクルマの開発を進めていく」
フォーミュラE第2戦は2019年1月12日に、モロッコのマラケシュで行われる。