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フォーミュラE:BMW、ワークス参戦初戦で勝ち星。「2018年を最高の形で締めくくることができた」

2018年12月17日 16:11  AUTOSPORT web

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ベルニュを振り切っての優勝にダ・コスタは喜びを爆発させた
第5シーズンにあたる2018/19年シーズンからABBフォーミュラE選手権にワークス参戦を開始したBMWは、12月15日にサウジアラビア・リヤドのディルイーヤで行われた第1戦で、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(BMW i アンドレッティ・モータースポーツ)がポール・トゥ・ウィンを飾り、ワークス初戦を勝利で飾った。

 フォーミュラEは、この第5シーズンから“Gen2”と呼ばれる新型シャシーが登場。マシンの外観が大きく変化したほか、モーター出力の向上、バッテリー容量の引き上げなど、マシン内部にも大幅な変化が起きている。

 これにより、決勝レース中に使用できるモーターの最高出力が200kWに引き上げられたほか、一時的にモーター出力を25kW向上させるアタックモードも登場している。これまで親しまれてきたファン投票で上位に入ったドライバーに追加ブーストが与えられるファンブーストは、今シーズンから上位5名に対象枠が広げられた。

 Gen2シャシーの投入に合わせ、BMWはこれまで支援を続けてきたアンドレッティ・モータースポーツと協力する形でワークス参戦を開始。ドライバーは第3シーズンから同チームで戦ってきたダ・コスタと、新たなメンバーとしてBMWのワークスドライバーとして主にGTカーを走らせてきたアレクサンダー・シムズのふたりを起用し、記念すべき一戦に挑んだ。

 レース当日は朝から降り続いた雨の影響で練習走行1回目がキャンセルになり、予選も通常とは異なるフォーマットで争われることに。11台2グループで争われた予選で、ダ・コスタは第1グループから参加すると、難しい路面コンディションのなか、巧みな走りで最速タイムを刻みポールポジションを獲得。第2グループから出走したシムズは苦戦を強いられ、17番手となる。

 決勝では、14周目でジャン-エリック・ベルニュ(テチーター)にトップを明け渡したダ・コスタだが、ベルニュがドライブスルーペナルティを受けたため、トップの座を奪還。最終ラップにはふたたびベルニュに詰め寄られたが、ファン投票3位で獲得したファンブーストも使って振り切り、BMWにワークス参戦後初、自身にとっても2015/16年の第2シーズン以来、2度目となる勝利を手にした。

 17番手からスタートしたチームメイトのシムズはレース途中にはポイント圏内までポジションを上げたものの、2度のペナルティもあり18位で初戦を終えている。

「BMW、チーム、自分にとって最高の日だ。みんなに感謝したいね! ひさしぶりに表彰台の頂点に戻ることができてうれしいし、これはチームのための勝利なんだ」とダ・コスタ。

「僕たちはつねに勝利という同じ目標を持っていた。そして、それを掴み取ったんだ。今日のような日は、僕たちの努力が報われたことを如実に表しているよ。この勝利に協力してくれたすべての人に感謝したい」

「だけど、僕たちはまだやることがたくさんある。ジャン-エリック・ベルニュはとてつもなく速かった。ファイナルラップはテール・トゥ・ノーズの状態だったから、心臓が飛び出しそうだったよ」

 フォーミュラEデビュー戦は18位に終わったシムズは「僕のフォーミュラE初戦は大きな挑戦で、たくさんのことを学んだ」とデビュー戦をふり返っている。

「アントニオはポールポジションと勝利という最高の仕事をしてくれたし、僕たちのマシンが速いことを示してくれたんだ」

「難しかった予選を終えて、決勝レースでは順位を8番手まで回復させられたんだ。だけど、不運にも2度のドライブスルーペナルティによって順位を下げてしまった。それでも今週末のおかげで僕は次のレースに向けて楽観的になれたよ」

 BMWモータースポーツの代表であるイェンス・マルカルトは、BMWが開発したパワートレインのデビュー戦をポール・トゥ・ウィンで終えたことを喜んでいる。

「開発に尽力してくれたBMW iとミュンヘンのBMWモータースポーツに心から感謝したい」とマルカルト代表。

「どちらも素晴らしい仕事をしてくれた。もちろんアントニオやアンドレティのチームのみんなを祝福したいね。このチームを心の底から誇りに思う」

「2018年のモータースポーツをこれ以上ない形で締めくくれた。そして新プロジェクト、新シーズンに向けてより良いスタートを切るために全力を尽くさねば」