IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ開幕戦ロレックス・デイトナ24時間で、フェルナンド・アロンソと小林可夢偉を助っ人ドライバーに起用するウェイン・テイラー・レーシング(WTR)のレギュラードライバー、ジョーダン・テイラーはF1やWEC世界耐久選手権を戦ってきたふたりの豊富な経験がチームを助けるだろうと考えている。
2019年1月26~27日に決勝レースが行われるデイトナ24時間でアロンソと可夢偉を第3、第4ドライバーに迎えると発表したWTR。
コニカミノルタのサポートを受けて10号車キャデラックDPi-V.Rを走らせるチームは2017年、デイトナを制したほか第2戦セブリング12時間を含む開幕4連勝という好成績を残し、同年のシリーズタイトルを獲得した。
そんなWTRでランガー・バン・デル・ザンデとともにレギュラードライバーを務めるジョーダンは、アロンソと可夢偉はDPiの“ルーキー”であるものの、彼らがチームに新しい見識をもたらすことを期待している。
アロンソを世界でもっとも高い評価を受けているドライバーと語り、可夢偉を日本のヒーローと評するジョーダンは「デイトナは(シリーズの中でも)一番勝ちたいレースだ。だから優勝するための要素はすべてクルマに注いでいる」と語る。
「アロンソと可夢偉は、僕が知らない驚くべくほど豊富な経験とそれによって得られる知識を持っている」
「彼らは(WECの)LMP1でミシュランタイヤを履いたクルマをドライブしているから、ランガー(・バン・デル・ザンデ)や僕とは違うフィードバックをチームにもたらすかもしれない」
「また、多くのメディアが彼らが10号車キャデラックをドライブすることに注目していると思うけど、僕らはデイトナで勝つためにふたりを呼んだんだ。だから僕は来年1月のレースをとても楽しみにしているよ!」
■ミシュランタイヤへの対応で、アロンソと可夢偉の意見が役立つことを期待
ウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップでは2019年から最高峰のDPiクラスをはじめLMP2クラス、GTデイトナクラスで、コンチネンタルからミシュランへとワンメイクタイヤの銘柄が変更される。
そうしたなかでジョーダンは、WECでミシュランを履いているアロンソと可夢偉の存在が、WTRのタイヤへの適応を加速させるのに役立つと考えているという。
「僕は(2017年までの)6年間、ル・マンでミシュランタイヤを履くコルベットをドライブしてきたが、キャリアではコンチネンタルタイヤを使う北米シリーズの方が経験数が多いんだ。だから、またあのとき(履いたミシュラン)の感覚を取り戻さなければならない」とジョーダン。
「しかし、僕を含めたチームのみんなは、すでに新しいタイヤをキャデラックで最大限に活かすための再学習を始めている」
「ここにF1とWECを経験したアロンソ、さらに日本のスーパーGT、全日本スーパーフォーミュラ選手権にも参戦している可夢偉が加わることで、僕たちの成長はさらに進むはずだ」
WTRは先週、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたミシュランのタイヤテストに参加したが、ここに助っ人の姿はなかった。チームによれば、ふたりは1月4~6日に開催される公式テスト“ロア・ビフォア・ロレックス24”で初めてダラーラのLMP2カーをベースとするキャデラックDPi-V.Rを走らせる予定だという。
「アロンソと可夢偉はプロフェッショナルのなかでも特別なドライバーだ。だからDPiのスピードに慣れるのに時間はかからないだろう」というジョーダン。
彼はタイヤテストを終えた後、コンチネンタルとミシュランでは大きくフィーリングが異なるものの、ひとりのドライバーがアジャストするのはそう難しくないという。
「しかし、僕たちは(ポールポジションを獲得した2017年の)ベースラインに戻ってくることを望んでいる。だから、彼らがロアで快適にドライブできるよう、今回のテストで得たデータを基にクルマを改善させるつもりだ。また、同時に別のプランも立てることができる」
「2019年のデイトナは僕たちにとって、まさに“スーパーボール”だ! レースに勝つためのクルマを作り上げたいと思っているよ」
アロンソにとっては2018年大会に続く2度目、可夢偉は初参戦となるアメリカ最大のスポーツカーイベントであるデイトナ24時間は2019年1月24日に開幕する。