社会人になると、色んな制約の中で生きなければならなくなる。ブラックな会社に入ってしまえば、日々残業しながら上司のパワハラにも耐えて、頑張らなくてはならない。
しかし、ブラックだろうとホワイトだろうと、社会人には社内で一気に自分の立場を足元から瓦解させる恐るべき事態に直面することがある。それが恋愛事である。
社内恋愛を禁止している会社は多い。社内恋愛がバレたら異動なんて会社もあるが、目を当てられないのは、社内恋愛を夢見たばかりに立場が完全に危うくなるようなケースである。(文:松本ミゾレ)
同僚女性が彼氏持ちと知らずに告白して自爆 音速で社内に広まる
先日、おーぷん2ちゃんねるに「ワイ『好きです付き合ってください』同僚女『ごめんなさい』」なるスレッドを目にした。このスレッドを立てた人物のその境遇が何とも哀しいと言おうか、愚かと言おうか、とにかくややこしいのでちょっと紹介したい。
なんでも彼は、あるとき同僚に告白して振られてしまったという。これだけならまだありふれた話なんだけど、その後がちょっとキツい。この一件の後、他の同僚から「○さんに告ったってマジ? ○さん彼氏居るんだよ、アホやな」と言われてしまったのだ。つまり、告白した事実がその女性から漏れているということになる。
さらには「○さんに告白して寝取ろうとしていたんだって」「超キモいんですけど」など、まるで歩くサンドバッグ状態にまで陥ってしまったのである。これは痛恨。出社したくない。
スレ主曰く、こういう雰囲気がその後2年続いたとのことだ。これはかなりキツイ。
告白するなら、事前に相手と自分の距離感を俯瞰で判断しよう!
まあ、ここまでスレ主が可哀想だという論調で、軽くあらましに触れてみたわけなんだけど、実際にはスレ主自体にも問題が多かったことが、スレッドを読み込むと理解できてしまう。
そもそも、彼にはどの程度勝算があったのか。これについては「(告白した同僚と)ちょくちょく飲みに行ってた。そのときも彼氏持ちであると言わなかった。それを隠してワイを弄んでいた」と書き込んでいる。が、よくよく掘り下げてみると、ちょっとおかしな主張であることが発覚するのだ。
「彼氏がいるかも分からない状態を、『仲良くなった』とは言いません」との指摘の書き込みがあると、「仲良くなるってそこまで知っとかないかんのか」と素朴過ぎる反応を見せる。
しかも「ちょくちょく飲みに~」のくだりに関しても、実際には2人きりでの飲みでもなく、職場の数人での飲み会であることも、他のネットユーザーに指摘されてから、ようやく書き込んでいたのだ。
つまり、まとめるとこうだ。会社の同僚数名での飲み会以外ではプライベートで会う事もない上に、彼氏の有無も分からない同僚女性を勝手に好きになって、暴走して振られたというだけのことなのである。
で、なぜこんな話を紹介したのかと言えば、こういうちょっと他人との距離感がおかしい人って、しばしば遭遇することがあるからだ。そしてその多くは、自分がおかしいことに、このスレ主のように気付いていない。
僕は社内恋愛なんて、そんなのは個人の好きにすれば良いと考えている立場だ。だけどもやっぱり、恋愛をするには前提条件は大事だ。最低限詰めておくべき距離がある。それを理解しないまま暴走をすると、今回紹介した一例のように、周囲から一気に孤立してしまうのだ。
社会人にもなって、距離感を無視して告白して玉砕するような人はこう言われる。「超キモいんですけど」。