サウジアラビアのディルイーヤで開幕を迎えた2018/19ABBフォーミュラE選手権。降雨によりスケジュールが大幅に変更となった予選を、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(BMW i・アンドレッティ・モータースポーツ)がポールポジションを獲得した。
新シャシー“GEN2”の導入、レースシステムの変更、注目ドライバーたちの参戦。新たなシーズンを迎えた2018/19ABBフォーミュラE選手権がサウジアラビアのディルイーヤで開幕した。
首都リヤド郊外に位置する第1次サウード王国の旧首都だったディルイーヤは、日干しレンガで作られたその当時の遺跡が多く残り、ツライフ地区は世界遺産にも登録されている。このフォーミュラE開幕戦は、中東初の電動モータースポーツレースとなり、その歴史的な街並みを使った2.495kmのコースで争われる。
7時台に予定されていたプラクティス1は降雨のためキャンセルされ、プラクティス2は時間を延ばして行われることとなった。プラクティス2に向けてコース上にたまった水を掃き出す作業が続いていたが時間がかかり、再び雨が降り始めてしまう。
現地10時15分、ようやく35分間のプラクティス走行がスタートする。小雨が降るウエットコンディションの中、走行を重ね始めるも、すぐにエドアルド・モルタラ(ベンチュリ・フォーミュラE)がバランスを崩しウォールにクラッシュ。早々に赤旗中断となる。
残り10分で走行は再開。各車すべりやすいコンディションに苦戦する。トップに立ったのは、F1から転向したストフェル・バンドーン(HWAレースラボ)。2番手にサム・バード(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)が続き、今季からルノーに代わって参戦するニッサン・e.ダムス勢も、セバスチャン・ブエミが3番、オリバー・ローランド4番手と予選に向けていい手応えを掴む。
スケジュールが大幅に遅れ予選は11時25分からに変更。4つのグループ走行ではなく、11台ずつ2つのグループに分かれてアタックが行われ、上位5台が争うスーパーポールはキャンセルとなる。
グループ1は、トム・ディルマン(NIOフォーミュラEチーム)がまずはコースイン。しかし、5周以上を走行してしまいタイム剥奪となる。残り2分を切って各車コースイン。1アタックのタイム合戦が始まる。
グループ1は、ダ・コスタ(BMW i・アンドレッティ・モータースポーツ)が1分17秒728でトップタイムをマーク。2番手にディルマン、3番手にホセ・マリア・ロペス(GEOXドラゴン)、4番手にブエミが続く。
続いてグループ2がスタート。開始早々からゲイリー・パフェット(HWAレースラボ)やローランドがアタックするも、グループ1上位のタイムに食い込めない。
残り約5分でバンドーンが5番手に浮上。アンドレ・ロッテラーもアタックに入るが、マクシミリアン・ギュンター(GEOXドラゴン)のクラッシュにより残り3分41秒で赤旗中断に。
予選が再開されると各車アタックするも上位のタイムには及ばない。前評判が高かったBMW勢。グループ1ではダ・コスタがトップに立ったが、グループ2に出場したフェリックス・ローゼンクヴィストは、最終コーナーで曲がり切れずウォールにクラッシュ。予選最下位となってしまった。
開幕戦のポールはダ・コスタ。予選2番手にディルマン、3番手にロペスと続き、ニッサンのブエミが4番手。バンドーンは5番手となった。注目のフェリペ・マッサ(べンチュリ・フォーミュラE)は19番手と下位から決勝に挑む。
予選後、2番手のタイムを記録していたディルマンは規定周回数以上を走行したためすべてのタイムを剥奪。バード、ルーカス・ディ・グラッシ、ロビン・フラインス、オリバー・ローランドもトータルパワーが250kwを超えたためベストタイム剥奪。オリバー・ターベイもデーターロガーのミスですべてのタイムが剥奪となった。