ここ最近のアニメ業界の爆発的な勢いには、声優の貢献が大きいように思える。ただ、アニメ界の巨匠・宮崎駿氏は過去に、「特に女の子の声なんかみんな、『わたし、かわいいでしょ』みたいな声を出す」と声優の演技に対する違和感を口にしており、宮崎氏同様、声優の演技に違和感を覚えているアニメ視聴者もいるようだ。
はてな匿名ダイアリーに今月、「アニメが嫌いなのは声優の演技がうざいから」というエントリーが寄せられ、投稿者は、
「過剰演出すぎて邪魔くせえ。あのいかにも『演技してます』って感じのコテコテの演技やめろよと思う。もっと自然な演技してほしい」
と、声優への不満を語った。(文:石川祐介)
「男女すごくテンプレ演技の人が多いなあとは思う」
この投稿に対しては、「過剰で白々しい声優のあれなんとかならんの?」、「媚びた声やカッコつけた声、子供っぽい怒り、空疎な笑い声、どれも幼くてバカバカしくて感情移入できない」と共感するコメントが寄せられた。
また、声優の演技がパターン化してしまっていると指摘する声も散見された。
「男女すごくテンプレ演技の人が多いなあとは思う」
「アニメの感情表現そのものがテンプレ化しているとは思わないのか?アニメはみんなアニメ臭い」
テンプレ化した演技や感情表現のせいで、"キャラクターが喋っている"という感覚に浸れていない人は少なくなさそうだ。
「絵や動きがリアル系なら普通の演技でも良いのかもしれないけどさ、絵や動きがデフォルメなのに普通の声だと変じゃない?」
「自然な演技というのは自然な会話に聞こえるように意図して演出された台本あってのモノ」
一方で、過剰に感じられる演技は映像や台本に合わせるためのものであると言う人もいた。他にも、「露骨じゃないと棒って言われちゃうから」と演技力に難癖つけられないように、あえて盛って演じているのではという声も見られた。
「自然な演技ってなんだろう?」と疑問の声も
コメント欄には「自然な演技ってなんだろう?」「『自然な演技を』と言うのなら、どういうのが自然なのか方向性を示して欲しい」といった意見も出ていた。声優に自然な演技を求める人は、自分がどういった演技を欲しているのか明確に理解していないのかもしれない。
ちなみに、「個人的にはドラマの俳優の方がうざい」、「ドラマが嫌いなのは俳優の演技がうざいから。あんなコテコテの喋り方でオーバーアクション居たらうざい」など、俳優の演技のダメ出しも多く寄せられていた。演技批判をする人は一定数存在するようで、演者はどこにいっても演技に関する批判にさらされる職業なのだろう。