セバスチャン・ベッテルはソーシャルメディアを利用していない唯一のF1ドライバーだ。様々なソーシャルメディアのプラットフォームは情報提供というよりも、エンターテインメントのために作られていると彼は考えている。
デジタル革命は世界を変えた。世間話からビジネスに至るまで、正しい情報も偽情報も一瞬にしてアクセス可能で、すぐに拡散されてしまう。
どのレベルのドライバーとっても、フェイスブック、ツイッター、インタグラムのアカウントは自己宣伝の道具だ。寡黙で我が道を行くキミ・ライコネンでさえソーシャルメディアの流行に乗っているが、それでもベッテルはインスタグラムやツイッターに飛びつこうという気にはならないという。
「ソーシャルメディアのプラットフォームは、彼らが主張するものとはまったく正反対のものだ」とベッテルはAuto Moto und Sportのインタビューで語った。
「ソーシャルメディアは本当の姿を伝えない。もし数百万のフォロワーがいたら、自然なままの写真は投稿されない」
「テレビで見た人のことを知っていると思うようなものだ。お金を生み出す自己表現の場だよ。ユーザーは実際には何も学ぶことはない。ソーシャルメディアはエンターテインメントのカテゴリーに入るものだ」
「僕はコミュニケーションをとる必要はない。なぜ僕が今いる場所を人に教えなければならないんだ? そうしている人を批判する気はないけどね。誰もがやりたいことをやる自由があるが、僕はこのレースに加わるつもりはない」
ベッテルはソーシャルメディアを避ける一方で、デジタル時代に人々がどう進化するのかを疑問に思ってはいるものの、情報技術の圧倒的な力についてはよく認識している。
「スポーツの面では、コンピューターの力は非常に役に立っている。それがあってこそ、今のようなマシンを作ることができるんだ」
「概して僕は、全体的なことには懐疑的だ。この先どこまで進んで行くのかという部分には、興味がある。結局のところ、どれだけデジタル世界に没頭したいのかを、誰もが自分で選択しなければならない」