WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦しているバイコレス・レーシング・チームは、2020/2021年シーズンから導入予定のハイパーカー規定に準じたオリジナルマシンを制作する意向を明らかにした。
トヨタとアストンマーチンという自動車メーカーに加えて、アメリカのマニュファクチャラーであるスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスが参入するとみられている2020/21年のWECハイパーカー規定。
2014年からプライベーターチームとしてLMP1クラスに参戦しているバイコレスのマンフレディ・ラベット代表は、今年12月上旬にテクニカルレギュレーションの概要が明かされた、新しいプラットフォームに合致するクルマを作りたい旨を明らかにした。
「我々は新規定が導入される2020年シーズンにその場に居たいと思っており、すでに取り組んでいる。まずはともに戦うビジネスパートナーを探すことが必要だ」ラベット氏はEndurance-Infoに語った。
「(チームを率いるコリン・)コレス博士はこのカテゴリーに挑戦することを望んでいる。我々はレギュレーションに関していくつか明確化されていない項目が公表されることを待っている状況だが、(現時点で)提案されたパッケージはバイコレスがその一部になりたいと考えさせるものだ」
ラベット氏は、おそらくシャシーは社内で作られることになるが、新しい規則の下で必要となるハイブリッドシステムを含むパワートレインについては現在、検討を進めていると語った。
また、氏は今季のWEC“スーパーシーズン”で同チームに3リッターV6ツインターボエンジン『VRX 30A』を供給しているニッサン/ニスモとの関係を継続したいともコメントした。
「新しい規則はまだ表に出てきたばかりなので、時間をかけて評価する必要がある」
「私個人としては、ACOフランス西部自動車クラブとFIA国際自動車連盟はWECを正しい方向に進めていると考えているよ。誰もがそこにたどり着くだろう」
■最終目標はル・マン総合優勝
そんなラベット氏は、ハイパーカー規定がバイコレスのようなプライベートチームが、WECやルマン24時間でメーカーワークスチームと戦うことを可能にすると考えている。
「2020年から導入される新しいレギュレーションは、現在のそれよりもプライベーターにとってはるかに有利になる」とラベット代表。
「エアロダイナミクスとハイブリッドの両方が制限されるこのやり方はEoTやBoPよりもはるかに優れているはずだ。私はWECの将来を確信している」
「コレス博士はル・マンで勝つことを熱望しており、我々がいつかそれを達成するのは間違いないだろう。それは単なる時間の問題であり、チームが一丸となれば可能であるはずだ」
「たしかにル・マンを制するのはもっとも難しいことだ。しかし、コレス氏はそこにたどり着くまでに辛抱強く続ける必要があることを知っている。彼は目標を達成できるその時が訪れるのを待っているんだ」
バイコレス・レーシング・チームが2020/21年のWECに参戦することになれば、非自動車メーカー系チームでは、すでに参加を表明しているスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスに続く2チームとなる。
なお、トヨタとアストンマーチンについては現時点で公式発表がなされていないものの、WEC新時代のメンバーの一角を成すと予想されている。