レーシング・ポイントF1のチーム代表を務めるオットマー・サフナウアーによると、ランス・ストロールのスピードに関してチームが持っていた懸念は、最終戦アブダビGP後に行われたオフシーズンのピレリタイヤテストで解消されたという。
ストロールは、彼の父ローレンス率いる投資家集団が、2018年の夏にチームの前身であるフォース・インディアを破産危機から救済したことで、2019年にはウイリアムズからレーシング・ポイントF1へ移籍しフルシーズンを戦うことになる。
20歳のストロールは、2017年にウイリアムズからレギュラードライバーとして参戦した際、大富豪の父親に支援されたペイドライバーに過ぎないと見られていた。しかし2シーズンが終わったところで、多くの人々はストロールが立派に戦い、F1における存在を正当化できる才能とスキルを見せたと考えている。
ストロールはシルバーストンにあるレーシング・ポイントの拠点で、事前にシミュレーターテストを行っていた。そしてチームは、アブダビのタイヤテストで彼の紛れもないポテンシャルに納得させられたようだ。
「ランスは初走行を非常に楽しんでおり、彼のやりたいようにマシンを動かせると言っていたのでよかった。我々はランスのパフォーマンスにとても感心した」とサフナウワーは、F1のBeyond the Gridポッドキャストで語った。
「彼がシミュレーター作業をしているときから、非常に速いペースを出しており感心させられた。シミュレーターではエステバン(・オコン)のレベルに追いついていたんだ」
「そして彼がシミュレーターで出したペースをレーストラックでも出せることを期待していたが、それも実現してみせた。彼はトラックでも非常に速かったのだ」
ストロールはまだ研磨が必要な原石かもしれないが、彼は新チームのサポートによって、スキルとレース技術に磨きをかけ続けている。
「ランスには優れた潜在能力がある。どのようにタイヤを挙動させ労わるか、そしてスピードを出しながらスティントの間もたせるかといったことについてチームが知っていることを彼に伝え、ともに取り組みたい。そうすることで、レースで良い結果を出せる手助けができるだろう」
「彼は素晴らしいスキルを持っているし速い。たいてい彼はスタート時から最初のラップまで良い仕事をし、順位を上げているんだ。だから彼と仕事をするのを楽しみにしているよ」