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『FNS歌謡祭』初出演の吉本坂46、坂道グループとの共通点 MVに見るパフォーマンスへの期待

2018年12月12日 16:42  リアルサウンド

リアルサウンド

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 吉本坂46が本日12月12日放送の『2018FNS歌謡祭』(フジテレビ系)第2夜にて、テレビ初パフォーマンスを行う。


 吉本坂46とは、乃木坂46/欅坂46に続く第三の坂道シリーズとして、吉本興業の所属タレントで構成された秋元康プロデュースによるアイドルユニット。今年2月21日に、ヨシモト∞ホールで開かれた記者会見で秋元康から「吉本の芸人の皆さんにご協力をいただいて、吉本坂46を作りたいと思います」とプロジェクトの始動を発表(参考:乃木坂46、欅坂46に続く“坂道シリーズ”第3弾は「吉本坂46」 秋元康と吉本興業がタッグ)。吉本に所属する1,747名の応募の中から様々な審査をくぐり抜けた46人が合格した。


 芸人だけでなく、世界的なダンサーから、元NMB48まで、男女問わず吉本らしい様々なジャンルのタレントが選ばれるのが他の坂道系にはないグループのカラーと言える。グループ結成や活動の過程は吉本坂46の初冠番組『吉本坂46が売れるまでの全記録』(テレビ東京)で毎週オンエアされており、坂道系のメンバーと同様に、真剣にアイドル活動に励み、中にはもう一度チャンスを掴もうと奮闘するメンバーの姿に胸を打たれる瞬間もあった。


 そして、2018年12月26日にシングル『泣かせてくれよ』でソニー・ミュージックレコーズよりデビューが決定。すでに収録楽曲の音源やMVは解禁されており、表題曲「泣かせてくれよ」では、歌唱力に定評のある斎藤司(トレンディエンジェル)、過去に『吉本べっぴんランキング』で1位を獲得した経験のある小川暖奈(スパイク)がWセンターを担当。そのほか、フロントメンバーの遠藤章造(ココリコ)、河本準一(次長課長)をはじめ、村上ショージやおばたのお兄さん、ガンバレルーヤの二人など、大御所から若手までバラエティ豊かな17人が選抜メンバーとして選ばれている(『2018FNS歌謡祭』では休養中のよしこ(ガンバレルーヤ)に代わって光永が入る)。全46人の中でも知名度の高いベテラン芸人が中心となっているのが選抜の特徴だ。



 「泣かせてくれよ」は、アイドルソングと言うより、上田正樹「悲しい色やね」やBORO「大阪生まれた女」のような、大阪弁で切ない想いを歌う、心に染み入る大人のバラードといった印象を受ける。しかしMVには、「二人セゾン」以降の欅坂46のシングル表題曲を監督している新宮良平、そして欅坂46の振付を担当しているTAKAHIROを起用。坂道系としての繋がりを見せる盤石の体制と言えるだろう。どこか昭和歌謡曲テイストを感じるフォーキーな曲調も、欅坂46「チューニング」や乃木坂46「渋谷ブルース」などの世界観に通じるものがある。もちろん芸人だけにおふざけな表情も見せるが、曲やダンスはいたって真面目(そのギャップが面白さでもあるが)。2010年代の大阪をテーマにした代表曲として、カラオケの定番になりえるポテンシャルを感じる。


吉本坂46 『泣かせてくれよ』Music Video

 シングル『泣かせてくれよ』には他にもいくつかのユニット曲がある。藤井菜央と榊原徹士(元新選組リアン)をWセンターに、SHUHO、A-NONといった世界的なプロダンサーたちが一列目の脇を固め、三秋里歩、高野祐衣の元NMB48など、ダンス選抜とも言える若手を中心とした16人のユニットREDの「君の唇を離さない」MVが先日公開され、そのダンスのレベルの高さに驚きの声が上がっている。MVの監督は乃木坂46などのMVを手掛ける池田一真。振付師Ruuによる情熱的で激しいダンスは、ベテラン芸人たちでは出せない魅力を引き出しており、坂道系のアイドルユニットとしての本気度が伺えるものとなった。


吉本坂46 『君の唇を離さない』Music Video

 今回の放送ではおそらく「泣かせてくれよ」が披露されるだろう。 当日は、AKB48、乃木坂46、欅坂46、IZ*ONEの4組がコラボした、吉本坂46にとって直系の姉さんたちが大集結するスペシャルユニットが登場するほか、『ちびまる子ちゃん』企画で爆チュー問題がアニメで声優を務めるTARAKOと一緒に「アララの呪文」を音楽番組で初歌唱するなど、この番組でしか見ることのできない夢のコラボレーションや企画が行われる。そんな中、単なる企画ものでは終わらせない、本気のアイドルグループとしてのパフォーマンスでどのようなインパクトを残してくれるのか。色眼鏡で見ていた人をアッと驚かせるようなステージに注目したい。


(文=本 手)