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フィッシャーズ モトキが“ヘアドネーション”で丸坊主に 髪を伸ばしていた真意に感動広がる

2018年12月11日 12:52  リアルサウンド

リアルサウンド

 人気YouTuberグループのフィッシャーズが12月7日、「モトキが髪を1年間伸ばし続けていた理由。」と題した動画を公開した。


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 モトキは動画出演頻度も高く、フィッシャーズのなかでもムードメーカー的存在だ。常に柔和な表情で視聴者を和ませているが、しかし何事にも動じない「ノーリアクション王」であり、高い運動神経も見せる。一見、バランサーに見えるモトキが激辛料理を平然と食べ、アスレチックでもいい動きを見せていることが、フィッシャーズのチャレンジングでスポーティなイメージを決定づけているのではないか、とも思える。


 そんなモトキが長らく髪を伸ばしていたことは、ファンの間でも語り草になっていた。フィッシャーズというグループが持つ爽やかなイメージとはやや離れた髪型になり、「切ってほしい」というコメントも散見されるなかで、何か考えがあるのだろう、と受け取るファンも少なくなかったが、これまで理由が明かされることはなかった。


 今回の動画で、モトキは髪を伸ばしていた理由について、第一に「去年の9月、10月くらいにメンバーが新居に来て、『せっかくだから新しいことやってみん?』という話をした時に、自分から『髪でも伸ばしてみる?』と話したら、『それいいじゃん』ということになって、伸ばすことになったんだけれど、そしたら、伸びる伸びる(笑)」と語った。そして、二つ目の理由は、リーダーのシルクロード(シルク)から、「ヘアドネーション」を勧められたためだったという。


 ヘアドネーションとは、病気やガン治療などの影響で、頭髪を失ってしまった人たちに、人毛100%のウィッグを提供する取り組みだ。日本でも約10年の歴史があり、2015年には女優の柴咲コウがロングヘアをバッサリとカットし、寄付したことでも話題になった。これを知ったモトキは、「(伸ばした髪が)役に立つのだったらいいことだ」と、すぐに頭髪の提供を決断。提供には基本的に31センチ以上の長さが必要だということで、ここまで伸ばしてきたわけだ。


 そしてこの動画で、いよいよヘアカットに向かうわけだが、「提案しておいて、自分がやらないのも変だ」「(ウィッグに使えるかどうかは)切ってから聞けばいい」として、シルクも一緒に坊主にすることに。この辺りの思い切りの良さ、男気と仲間意識の高さが、フィッシャーズの魅力の一つのように思える。


 モトキは、生涯で一度も坊主にしたことがないそうで、「自分でもどういうビジュアルになるかわからない」と楽しそうだ。モトキの髪は艶があり、量も多く、スタッフからも「すごくいいウィッグが作れると思います!」とお墨付きをもらっていた。カットする過程でしっかり笑いも取りつつ、シルクも丸坊主に。やはり、シルクの髪は長さが足りず、ウィッグにはならないということだったが、「ただの坊主であった!」と楽しそうに動画を締めくくるのだった。


 動画コメントでは、ヘアドネーションを初めて知ったという声、実際に医療用ウィッグを使用している視聴者からの感謝の言葉のほか、「美容院によってはヘアドネーションすることでカット代が割引されることがあります(中略)『ヘアドネーション賛同美容院』と検索すると全国にたくさんあります」との情報も。また、小児科で看護師として働いているという視聴者からは、「白血病や腫瘍の子供達は、治療によって副作用で髪が抜け落ちてしまい、大変辛く、堪え難いものです。(中略)治療がある程度進み、退院間近となった子達が大きく悩むのが見た目です。学校へ行きづらい、恥ずかしい等、復学支援での大きな壁となっています。そんな中で、ウィッグは子供達の大きな支えとなっています」と、この動画でヘアドネーションが広く伝わることに期待する声もあった。


 動画は公開から4日たらずで400万再生を超えており、若年層に圧倒的な支持を受けるフィッシャーズがこの取り組みを伝えたことには、小さくない意味があると思える。もっとも、彼らは「いいことをしている」ということをアピールするわけでもなく、真面目に「ヘアドネーション」を紹介した後は、いつものように楽しそうにヘアカットに臨んでいた。もともと「何か新しいことをしたい」というモトキの思いから派生して生まれたものだ、という気軽さもあり、あくまで楽しみながら見られる動画になっているのが印象的だ。


 ヒカキンやフィッシャーズを始めとするトップYouTuberは、災害が起これば企画を絡めて寄付を行ない、世間的なイベントで渋谷にゴミが散乱すればそれを拾い、いつも楽しそうに社会貢献活動を推進している。「世のため人のため」という発想はもちろん重要だが、彼らが示す「楽しそう」という動機付けは、特に若年層の公共心を高めることに役立っているのではないか、と思える。YouTuberに詳しくない人も、これを機に彼らの動画をチェックしてみてはいかがだろうか。


(橋川良寛)