12月10日、神奈川県川崎市麻生区の麻生警察署で、スーパーGT GT300クラス、全日本F3選手権、スーパー耐久等幅広く活躍しているレーシングドライバー、宮田莉朋が“一日警察署長”の大役を務めた。
1999年生まれの宮田莉朋は、2016~17年とFIA-F4連覇を飾った後、2018年はスーパーGTと全日本F3選手権、スーパー耐久と数多くのレースに参戦。2年目の全日本F3では2勝・ランキング2位となったほか、初挑戦となったスーパーGTでも、吉本大樹とのコンビで第4戦タイで3位に食い込み、自身初の表彰台を獲得している。
そんな宮田がこの日、初々しい警察署長姿に身を包み、麻生警察署の一日警察署長として“平成30年年末の交通事故防止運動”のキャンペーンを務めた。宮田は神奈川県逗子市出身で、一見麻生区とはあまり関係がなさそうだが、実は宮田の父がモータースポーツ好きの署員のひとりと交流が深く、宮田に白羽の矢が立ったのだとか。
この日は、13時から麻生署内で署長姿に着替えた宮田に対し、田中正博麻生署長から委嘱状が手渡され、一日警察署長がスタートした。実は田中署長もかつて大井松田でレーシングカートに挑戦したこともあるとのことで、カートの話で盛り上がる場面も。
その後、宮田は麻生署近くの小田急新百合ヶ丘駅前へ移動し、多田貴栄麻生区長らも合流。宮田一日警察署長の紹介が行われた後、「交通安全、スタート!」という宮田のかけ声で、年末の交通安全を呼びかける配布物が道行く人々に配られた。
「交通安全という面では、僕もまだ免許取得から1年しか経っていないのですが(苦笑)、僕たちレーシングドライバーは、相手の動きやアクシデントを予測して運転をしています。それは一般道も同じで、自分の意識が大切だと思っています。特に長く免許をもたれている方も、危険意識をしっかりもち運転すれば、事故や違反は減ると思っています」と宮田は区民に安全運転を呼びかけた。
さらに宮田は、新百合ヶ丘駅そばのエルミロード前に展示されたSYNTIUM LMcorsa RC F GT3の前に移動した。この日は宮田の晴れ舞台を彩るべく、所属チームであるLM corsa/大阪トヨペットが全面的に協力。大阪から運ばれたマシンが駅前に登場していたのだ。
田中署長や多田区長らにコクピットの説明をしたり、訪れたスーパーGTファンや区民の人々と写真に収まった宮田は、さらにふだんのレーシングスーツに着替え、撮影会を実施。署員たちも「若手レーシングドライバーの宮田選手です」と区民に紹介し、通りすがりの人々がスマートフォンで撮影する姿が数多く見られた。
宮田とSYNTIUM LMcorsa RC F GT3はその後麻生署に戻り、署員たちと交流。驚くべきは署内におけるスーパーGT、モータースポーツの認知度の高さで、宮田にも盛んに質問が飛んでいたのが印象的だった。最後は宮田、LM corsa/大阪トヨペットに感謝状が手渡され、一日警察署長体験は無事に終了した。
「こういった機会をいただいたのは初めてで緊張したのですが、とても多くの方に来ていただき、配布物もすぐ配り終わってしまい、驚きました。また、レクサスRC F GT3を持ってきていただいた大阪トヨペットの皆さんにも感謝しています」と宮田はイベント後語った。
「これを機会にモータースポーツを知っていただけたら嬉しいですし、ぜひスーパーGTも観に来ていただければと思っています。また、自分自身のふだんの運転もしっかり意識して、より気を引き締めていきたいな、と感じました」
近年、スーパーGTではレース前に現地の白バイやパトカーがパレードランするなど、交通安全に寄与するべく活動しているが、この日の宮田とSYNTIUM LMcorsa RC F GT3のアピールも非常に多くの注目を集めたようで、麻生署でも好評を博した様子だった。