2019年より“レーシング・ポイントF1チーム”で戦うランス・ストロールの父でカナダの大富豪であるローレンス・ストロールは、チームがトップ3の争いに加わるところを見たいと述べた。
11月、ローレンスはブラジルで「適切な投資やリーダーシップ、モチベーションがあれば、我々が高い期待を持たない理由はない」とNew York Timesに語った。
「我々より強いチームを打ち負かし、うまくいけば3位の座を争うことができるはずだ」
チームの前身であるフォース・インディアは、2016年と2017年のコンストラクターズ選手権で、“トップ3チーム以外の最高位”である4位でフィニッシュしている。しかしながらメルセデス、フェラーリ、レッドブルの三強を破るには程遠かった。
そして2018年は、シーズン途中にチームが破産。ローレンスが率いる投資家集団による買収を経て、チームは新たに『レーシング・ポイント・フォース・インディア』としてエントリーし、第13戦ベルギーGP以降を戦った。そのため第12戦ハンガリーGPまでに獲得したポイントを手放さなければならず、2018年シーズンのコンストラクターズランキングでは7位となった。
なおFIAの公式エントリーリストによると、2019年シーズンは『レーシング・ポイントF1チーム』として参戦が決定している。
2018年は財政難に苦しんだものの、2019年の新チームはパフォーマンスの点で大きな飛躍を見越しているとローレンスは語り、彼のチームへの投資は、自身の息子のレーシングキャリアを助けるためや、虚栄心からのプロジェクトではないと主張した。
「私はエゴで投資をしているのではない。資金を失うためにF1に関わっているのではない。トミーヒルフィガーやマイケルコースなど、私が関わっている他のビジネスと同じように、長期的に関与する」
しかし、ローレンスはメルセデスやフェラーリ、レッドブルのオーナーであるディートリッヒ・マテシッツと肩を並べるように資金をつぎ込むつもりはないという。またF1の計画しているバジェットキャップ制度によって、レーシング・ポイントがトップチームと対等な立場に立てることを彼は期待している。
「なんらかのバジェットキャップ制度の導入と、小規模チームへのより公平な分配金の支払いが行われようとしていることは明らかだ」とローレンスは説明した。
「どれだけ効果があるかはこれから明確にされていくだろう。ただし不満もある」
ローレンスはF1パドックの新参者ではない。彼は何年もF1に関わっており、最近ではウイリアムズに投資していた。リバティ・メディアが2017年初頭にF1を買収した後、彼はF1の新CEOであるチェイス・キャリーと知り合った。
「チェイスとは、彼らの望む方向性と、ビジネスを継ぐ必要性を理解するのに十分な会話ができた。私にとって、F1は財政的なチャンスだ。2021年に向けた、収益性の高いビジネスチャンスなのだ」