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定価税別6000万のニッサンGT-R GT3、エンジンは“匠”の手組み/知らなくても困らないGT300マニアックネタPart2

2018年12月10日 14:41  AUTOSPORT web

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2018年モデルのニッサンGT-RニスモGT3
●SROによるFIA-GT3の性能調整(BoP)を決めるためのテストは進化していて、ドライバーによるサーキットテストだけでなく、ミシュランのテストコースも使用されている。そこにはダウンフォースプレートという計測装置があって、直線走行状態のダウンフォース量実測が可能。これを使ってダウンフォース量をチェックする。

●18スペックとなりパフォーマンスアップを果たしたニッサンGT-RニスモGT3の定価は税別6000万円(エアコン等はオプション)。搭載するVR38DETTエンジンのドライサンプ化やXトラック製トランスアクスルの採用、サスペンション・ジオメトリーの適正化など、各部をバージョンアップしながら、この価格を実現するためにニッサンも協力。ボディ製造工程ではGT3用として不要な部品の取り付けを省略するなどしている。またエンジンはGT3用も量産といっしょに横浜工場の“匠”が手組みする。ちなみにVR38はコンロッドに加えて軽量化のためクランクシャフトも変更になった。

●谷口信輝はスーパーGTでも右足ブレーキ派。理由は抜きの繊細さが右足の方があるから。しかしシーズン半ばでのテスト走行では、体力的にラクだからという理由により左足ブレーキで乗っていた。また15年以前のメルセデスSLSはブレーキ踏力が必要なので左足ブレーキで乗っていた。

●同じく谷口ネタ。フィニッシュラインで3台が並ぶ大接戦を制して3位となった第6戦SUGO。ミニマム周回数でピットイン、左2輪交換のアンダーカット作戦を成功させた。しかし、終盤、無交換だった右後タイヤは○○がなかった。そのドライビングは付録DVDの車載映像で確認できる。

●スバルBRZに搭載されるEJ20エンジン。そのターボチャージャーはIHI製ということになっているが、コンプレッサーもタービンもハウジングはSTI内製。それでターボチャージャーの型式はない。

●EJ20続き。インタークーラーには最新タイプの前後2層に分かれたコアを17年から採用。その容量は13.5lでGT500(12.5l)より大きい。

●EJ20その3。18年はエアリストリクター規制と並行してGT3と合わせた回転数別ブースト規制が導入されたので、ブースト制御システムを変更した。制御システムの熟成期間はブースト制御を万全にするためにあえて昨年の小径(42.15φ)エアリスを装着していた。エアリス径をチェックした車検オフィシャルもびっくりしていたとか。ちなみに規定変更でブースト規制が厳密化してオーバーシュートが許されないので、そこの一瞬についてブースト圧はエアリス規定が拡大(42.15→45.00mm)したのにむしろ下がる方向に。ドライバビリティが悪化して、ドライバーからも不満が出た。

●GT500、GT300両クラス制覇したブリヂストン。そのブリヂストンには他メーカーがうらやむ“オメガ”という巨大計測装置がある。荷重やスリップアングル、速度を変えながら実走状態でのタイヤ接地面の変化を計測できる。

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