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Apple、純正iPhone XRクリアケースを発売 同社初の純正ケースは「買い」なのか?

2018年12月08日 10:22  リアルサウンド

リアルサウンド

 iPhone XRはiPhone XS/XS MaxのようにOLEDを採用していない言わば「廉価版」モデルではあるが、カラーバリエーションが豊富で何より安価なのが魅力である。こうした同スマホの魅力を損なわないスマホケースが、他ならぬAppleからリリースされた。


参考:iOS12で早くも不具合多発? 競合他社を意識した機能を盛り込むも、完成度はいまひとつか


iPhone XRのカラーを見せるために


 Apple公式サイトのiPhoneアクセサリーのウェブページに「iPhone XRクリアケース」が登場した。商品の説明には「iPhone XRを一段としっかり守りながら、その魅力的なデザインを楽しみたいなら、薄くて、軽くて、持ちやすいこのケースがおすすめです」と書かれている。


 同ケースの最大の特徴は、透明であることだ。この特徴には、iPhone XRのカラーバリエーションの魅力を最大限に引き出す意図があることは言うまでもない。材質はポリカーボネートとTPU素材を組み合わせており、軽さと強度、そして柔軟性を実現している。ケースの外側と内側の両方に傷防止コーティングが施され、ワイヤレス充電器にも対応している。価格は4,500円(税別)だ。


 テック系メディア『The Verge』は5日、同ケースについて報じた記事のなかでAppleは同ケース以前にはiPhone用の純正スマホケースをリリースしてこなかったことを指摘している。そのうえで、同ケースはiPhone XRのカラフルな背面を誇示するためのものだろうと評している。


iPhone XR、その評価は?


 iPhone XRに関しては、Apple幹部が最新モデルのなかで「いちばん売れている」と発言したことが報じられたが、同スマホの評価は販売地域によって温度差があるようだ。


 アメリカの総合メディアのビジネスインサイダーは4日、最新iPhoneモデルのなかでどれを買うべきか論じた記事を公開した。その記事では、iPhone XS/XS MaxとiPhone XRはどれもがFace IDを採用し基本的な設計思想を共有しているものも、iPhone XRは光学ズーム撮影ができないこと、さらには耐水性が劣っていることからiPhone XRはすすめられない、と評している。そのうえで、いちばんのおすすめはiPhone XSだと述べている。なお、iPhone XS Maxは大き過ぎて高額でもあることから、iPhone XSより価格と性能のバランスが悪い、とのこと。


 新興市場に属するマレーシアの総合メディア『malaymail』も5日、最新iPhoneモデル比較記事を公開している。同記事はiPhone XRをすすめている。その理由は、同スマホが最新iPhoneモデルのなかでもっともバッテリー連続駆動時間が長いこと、そして何より安価であるからだ。また、「もしまだiPhone 5Sか6を使っているなら、iPhone XRへの乗り換えは銀行の預金を崩壊させることのないナイスな選択だ」とも評している。


Apple成長神話の終焉?


 iPhone XRが好調だとApple幹部が発言したとしても、最近の同社関連のニュースは業績不振を伝えるものが多い。例えばブルームバーグは5日、同社に部品を供給するサプライヤーのひとつである半導体メーカーのシーラス・ロジックの株価が下落したことを報じた。株価下落の理由は、最近のスマホ市場の低迷により業績予測を下方修正したためだ。また、Appleニュース専門メディア『appleinsider』は4日、Appleにディスプレイを供給しているSamsungのスマホ部品部門の業績に関する記事を公開した。Samsungのスマホ部品部門は、2018年第3四半期までは好調だったものも同年第4四半期になると不振に陥っている。好調から不振に転じた理由は、iPhone XS/XS Maxへの部品供給が停滞したからと推測される。


 ブルームバーグは5日、Appleの成長神話は終焉したのではないかと論じた記事を公開した。成長神話が終わった理由として、スマホ市場の成長が終わったこと、そして同社の収益の3分の2がiPhoneの販売に依存していることを挙げている。そのうえで、スマホ市場が再び成長に転じるか同社が画期的な製品をリリースしない限り、今までのようにiPhoneを売るのは難しくなるだろう、と評している。


 スマホ市場が再び成長するのとAppleが画期的な製品をリリースするのでは、おそらく後者のほうが可能性が高いだろう。というのも、2020年、おそらくiPhoneに接続するApple製ARメガネがリリースされるからだ。同社の新しい夜明けまでは、もうしばらく辛抱しなければならないようだ。


(吉本幸記 )