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「なんかダサい服」は上:下=1:2で解消! “黄金比率”で極めるオトナのおしゃれ術

2018年12月07日 22:01  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

毎日の着こなしをアップするブログ「命短し恋せよ乙女★50代の毎日コーデ」が話題の金子敦子さん

「私はごく普通の56歳の主婦。モデル体形でもなければ、服にお金だってかけられない」

 そう語るのは、毎日の着こなしをアップするブログ「命短し恋せよ乙女★50代の毎日コーデ」が人気の“あっこたん”こと主婦・金子敦子さん。この秋に発売した著書『新 大人の普段着』は、発売後すぐに増刷となる大ヒットとなりました。

 そんな金子さんが着こなしのブログをはじめたきっかけとは?

「50代になって、それまでの服が全く似合わなくなりました。大好きだった黒は、顔に影を落として老化した顔が際立って見え、女らしいひざ丈ワンピースは、若作りをしているように感じる。よく着ていたデニムやタイトスカートは、おなかが目立つ。年齢を重ねて、二の腕やひじ、首も気になる。いったい何を着ればいいんだ! と途方にくれました」

 でも、そこであきらめなかった金子さん。「おしゃれになりたい!」という思いから、一念発起。日々の着こなしを自撮りしてアップする“着こなしブログ”を始めることに。

バブル、ブランド武装、激太りを経て…

 20代はバブル真っ盛りで、ワンレン、ボディコン、アクセサリーやスカーフなどにお給料の多くを費やしていた時代。30歳で結婚し、35歳で出産。

「あのころは、まわりのきれいめママになじもうと頑張っていたコンサバ時代。見栄を張ってブランド物で武装していましたね(笑)“誰かの目”を意識したおしゃれだったなと思います

 38歳でかねてからの夢だった看護師を目指し、その後、ガッツで夢をかなえた金子さん。40歳のとき夫の転勤で沖縄へ。子育てや仕事で忙しく、沖縄の気候風土も相まってカジュアルスタイル一辺倒になり、なんと人生最大体重の60kgに! 

「服が全部入らなくなったことで、ようやくダイエットをはじめたの。このころから自分らしいスタイルってなんだろうってぼんやりと考えるようになりましたね」

これまでの服が似合わなくなった50代

 再び東京に戻り、とうとうやってきた50代。

 子育ても終わり、時間も自由になったというのに「これまでの服が全部似合わない!」というおしゃれクライシスに直面! 「自分のスタイルを模索するどころか、50代のおしゃれは迷走。クロゼットはコンサバとモードとアメカジとナチュラルのカオスでした(笑)」

 途方に暮れた末、着こなしブログをスタート。毎日早朝に起きて、仕事の前に写真を撮ってブログにアップするという気合いの日々でした。

 ブログを始めるとともに、娘さんやブログ読者さんの辛辣(しんらつ)かつ愛のある意見を素直に取り入れ、試行錯誤。ブログ上でダサい失敗も隠さずに、“おしゃれ公開実験”を重ねていきました。それを続けること3年。辛口だった娘さんも「お母さん、おしゃれになった」と褒めてくれるようになりました。

 今ではブログをアップするたび、「コーディネート参考にしてます」「毎日見てます」「元気をもらってます」などのコメントが集まるように。ナチュラル系ファッション誌『ナチュリラ』(主婦と生活社)にも登場する人気っぷりです。

 そんな“等身大”のおしゃれで支持を集める金子さんに、女性の誰もが直面するであろうファッションのお悩みを相談してみました!

 

Q. これまで着ていた服がなんだか似合わなくなりました。どうしたらいいですか?

A. 今の自分のベスト丈を見つけましょう

「年を重ねて、似合う服が変わってきた」と感じている方も多いはず。金子さんも日々、試着と自撮りをくり返し、ようやく“今の自分”に似合うベスト丈を発見。ベスト丈を知れば、きっと誰でもおしゃれが変わります。

ベスト丈は上半身:下半身=1:2

 ブログで何度か開催しているのが、「~選手権」という企画。「このパンツにはどの靴が合う?」「このトップスにはどのパンツが合う?」などのテーマをもとに、いくつかコーディネートを載せ、毎回、読者の方に好きな1点を投票してもらいます。

 2年前の「トップス選手権」の時、同じスカートにさまざまな丈のトップスを合わせる中で、トップスの着丈が全身のバランスの要になることを発見! 

 研究の末、身長160cmの私には、気になるおなかが隠れ、脚が長く見える52cmがベストという結果に。目安は「上半身:下半身が1:2」。ベスト丈を知ったら、その服ばかり着たくなるから、ぜひ試してみて。

スカート丈は身長の半分以上

 数年前までは、デニム一辺倒だった私が、50代半ばにしてスカートをはき始めました。はいてみると、まるでおじさんみたいな服装ばかりだった私でも、ウキウキするのです。夫もスカートをはくと何だかうれしそうだし、娘も「スカート、かわいいね」って言ってくれる。これは、はくっきゃないでしょう!

 たくましいふくらはぎを隠し、細い足首だけを見せるため、丈は身長の半分以上、私なら80cm以上を選びます。80cmより短いスカートは、潔く手放しました。丈はだんだん長くなっていて、最近は88cm以上のマキシ丈が好み。ハリがある生地だと広がって乙女チックになってしまうので、落ち感がある素材を選ぶのがポイントです。

 

コートは長め丈を選ぶ

 これまでいろいろなコートを着てきましたが、自撮りした写真を見ていて、中途半端な丈はバランスが悪いことに気づきました。  

 短め丈のコートは、私が好きなワイドパンツに合わせるのはむずかしい。あこがれていたトレンチコートはかっこよすぎて、普段着にはミスマッチ。試着をくり返した結果、ワイドパンツと相性がよく、着ぶくれしない薄手素材の長め丈が定番に。  

 長すぎると重い印象になるので、ベストは115cm。パンツやスカートのすそが少しだけのぞく長さです。出すのは、細い三首(首、手首、足首)だけ。おなかやふくらはぎなど、体型の悩みをすべて隠すことができる上、女らしく見えるのもいいところです。

Q. おなかや二の腕が気になります。体形をカバーするアイテムを教えて!

A. ドロップショルダーとタックパンツが強い味方になります!

 私たち世代がスタイルよく見せるには、気になる二の腕、おなか、ふくらはぎを隠し、細い三首(首、手首、足首)を出すのがルールです。

 さらにドロップショルダーで二の腕や肩、タック入りワイドパンツでおなかをカバーすればスッキリ見えます。

 

Q. 黒を着ると顔がくすんでしまいます。顔映りをよくするには?

A. インナーや襟元にひと工夫を

 “くすみの大敵”として敬遠しがちだった黒のトップスも、インナーやアクセサリーなど、襟元に+αの工夫をするだけで、顔映りが驚くほど改善します。

+ギンガムチェックシャツ

 黒×白のギンガムチェックシャツの襟をちょっと見せるだけで、明るさと抜け感が生まれます。袖や裾もラフに出せば、こなれ感のあるコーデに。

 

+フリルの付け襟

 ネット通販で購入した付け襟をのぞかせて、女性らしいアクセントを。スタンドカラーならフリルでも甘くなりすぎず、着こなしに変化がつきます。

Q. 冬でも軽やかな着こなしにするには?

A. できるだけ軽量なもの、明るい色を選びましょう

 以前は見た目優先で重いコートも着ていましたが、肩が凝ったり、疲れてしまったら本末転倒。今は何より“軽いこと”を優先。軽量アウターを選んだり、薄手コートを重ねたり、明るい色をチョイスすることで軽やかな印象に。

軽いコートを選ぶ

 やわらかな質感のウールのフーデットコートは、長め丈ながら1000gと軽量。ハイライト効果を狙って白のニットを合わせ、袖を折って内側のネイビーをのぞかせてアクセントに。

アウターをレイヤード

 タートルニットに薄手のリネン混コートを2枚レイヤード。「薄手だから重くないし、空気の層ができるので、あたたかさは倍増!」。白~グレーのやわらかいトーンを茶色の革靴で引き締めて。

 

Q. 冬でも着ぶくれしたくありません!

A. 優秀なウールのインナー着用で防寒して

 軽く、薄手のコートを愛用しているので、1枚でしっかり防寒できるインナーは必須! なかでも、保温性と吸湿性が高い登山用の「モンベル」のメリノウールインナーがおすすめ。肌ざわりがよくてあたたかい上、汗をかいてもすぐ乾いて蒸れにくく快適です。

◇ ◇ ◇

 最後に、金子さんが自著に込めた思いを伺ってみました。

  “おしゃれになりたい!”

 その気持ちさえあれば、何歳からでもおしゃれになれる。心からそう思います。

 今日より明日、少しでも楽しくいられるために、日々新しい気持ちで服を着る心意気をもっていたい。そんな思いで作った『新 大人の普段着』です。

 ぜひ一緒に、毎日コツコツとおしゃれを楽しみましょう!  

(文/増田綾子 撮影/馬場わかな 枦木功)

《PROFILE》
金子敦子 ◎
かねこ・あつこ夫と娘の3人暮らし。看護師を経て日々の着こなしを自撮りして紹介するブログをスタート。“あっこたん"の愛称で親しまれ、一躍人気ブロガーに。著書に『お母さん、その服何とかしよ! 毒舌ムスメのファッションチェック』(飛鳥新社)がある。
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