スーパーフォーミュラを初ドライブしたベルガーの甥ルーカス・アウアー(左)とエイドリアン・ニューウェイの息子ハリソン(右) スーパーフォーミュラ鈴鹿テスト初日の走行セッション終了後、新顔の海外出身ドライバーたちが会見に臨み、SF14や鈴鹿サーキットのインプレッションについてコメントした。B-MAX Racing teamの50号車をシェアするかたちで走行に臨んだルーカス・アウアーとハリソン・ニューエイ、近親に“大物”がいるふたりもスーパーフォーミュラ初ドライブの感想、そして“大物たち”のユニークなエピソードを話した。
ゲルハルト・ベルガーの甥であるアウアーは、「ひと月ほど前に彼(ベルガー)と会い、『鈴鹿でテストをするんだ』と言ったら、『分かった。あのコースのことは全部完璧に知っている』と言って、いろいろ紙に書いて教えてくれたんだ」と、ベルガーとのエピソードを開陳。
「ただ、その通りに走ったら大変なことになりそうなコーナーもあった。やはり彼はクレイジーで信頼できないね(笑)。でも貴重なアドバイスをもらったよ」と、トップカテゴリー(DTM)経験者らしいウィットに富んだ話術も披露してくれた(編注:おそらくはカテゴリーの違いと時代の変化による、ベルガーのアドバイスミスがあったものと思われる)。
「ここに来られてとても嬉しい。とても印象的な素晴らしいマシンだ。そして鈴鹿の第1セクターはとても忙しいね。と同時に、自分にとってはもっとも素晴らしいと感じるコーナーでもある。今日はパワーとグリップ、コースに慣れるところから始まって、セットアップ変更も試したりした。今夜はゆっくり休んで、また明日、より良い走りができるようにしたいと思う」
来季については「レッドブルのスポンサーシップでスーパーフォーミュラを戦う予定だ。それ以外のことは未定だが、これから決まっていくだろう」と、ややフライング気味なコメントまで出たアウアー。早くも2019年の注目の新人といえそうな存在感を発揮している。
一方のニューエイは、「ベリーハッピーだ。鈴鹿は小さい頃からF1で見ていたし、一度走ってみたいと思っていたコース。ルーカス(アウアー)も言っているように、第1セクターは特に素晴らしいね」と鈴鹿の印象を語った。
「マシンはグリップもパワーも素晴らしい。ルーカスはF1のフォース・インディアにも乗ったことがあったと思うけど、僕はこれまで、このレベルの高い性能のマシンに乗ったことはなかったから(なおさらそう感じる)。今回は欧州からもエンジニアが来ているが、彼らもスーパーフォーミュラは初めてなので、一緒にもっといろいろ習得していきたいね」
この日は父のエイドリアン・ニューエイ氏もピットに登場した。タイミング的にハリソンの走りは見ていないと思われるが、「最近は(あくまで)父親として子供をサポートするために、よく来てくれているんだよ。写真を撮ったり、マシンをじっくり見たりしていたのは、F1の開発に取り入れるためじゃないかな(笑)」と、こちらもアウアーに負けない話術を披露。
来季については、ハリソン・ニューエイはこう語っている。「スーパーフォーミュラで走れたら光栄だし、そう願っている。もちろん、ヨーロッパにもオプションがなくはないんだけど、どうしてもバッティングが出てくるだろうし、(スーパーフォーミュラに参戦できるなら)集中する必要があるかもしれないと考えている」。
ちなみにアウアーもニューエイも何人かの友人選手たちを介してスーパーフォーミュラに関する知識を得ていたようだが、印象的なのは憧れの存在でもあるアンドレ・ロッテラーの影響が大きかった旨を共通して語ったこと。
そしてアウアーはスーパーフォーミュラを「行くべき場所(The Place To Go)」と語り、ニューエイも「F1以外でこれほど素晴らしいシリーズはないと思っているし、日本にはいろいろなタイプのコースも揃っていると聞いている。まさに、ここしかない、という場所だ」と、ともにスーパーフォーミュラへの強い参戦意欲を示している。