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全日本ラリー:2019年からR5車両の参戦が解禁。クラス区分が大幅変更へ

2018年12月05日 17:12  AUTOSPORT web

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ラリー北海道に出場したシュコダ・ファビアR5
2019年のJRC全日本ラリー選手権は、選手権規定の改定とクラス区分の大幅変更が行われ、新たにR5車両の参戦が可能となる。

 マシンの排気量や改造範囲に応じて6クラスが設けられているJRC。スバルWRX STIやミツビシ・ランサーエボリューションが凌ぎを削るJN6クラスを最高峰とし、排気量が小さく改造範囲の狭い車両で争われるJN1クラスまでの6クラスが設けられていた。

 そんなJRCのクラス区分が2019年から大きく変更。6クラス制に変更はないものの、JN1を最高峰クラスに据え、JN6を下位クラスとすることとなり、クラスごとの出場可能車両や排気量規制にも変更が加えられる。

 もっとも注目すべき変更は最高峰JN1クラス。参加車両の項目に『4輪駆動のR車両』という文言が追加された。これによりR5車両によるJRC出場が可能となった。

 近年カスタマー向けラリーカーとして注目を集めているR5。WRC世界ラリー選手権のジュニアクラスであるWRC2や、APRCアジア・パシフィック・ラリー、ERCヨーロッパ・ラリー選手権などで採用されており、WRCの最高峰クラスへのステップアップカテゴリーとしても注目されている。

 日本国内ではJSRスーパーラリーシリーズで炭山裕矢/保井隆宏がシュコダ・ファビアR5を駆り、2年連続シリーズチャンピオンを獲得した実績があるものの、JAFの管轄する選手権においてR5車両が出場できるのはこれが初めてとなる。

 なお、JN1クラスには従来どおりスバルWRX STI、ミツビシ・ランサーエボリューションの参戦も可能だ。

 そのほかのクラスも規定に変更が加えられた。JN6クラス(旧JN1クラス)は従来どおりハイブリッド車や電気自動車ベースのAE車両が参戦可能なほか、RPN車両(2006年1月1日以降にJAF登録された車両ベースのラリーカー)がATのみに制限され、比較的JRCへの挑戦がしやすいクラスへと変貌を遂げる。

 また、2018年までの規定では1600cc~2000ccの2輪駆動とされ、トヨタ86/スバルBRZが大勢を占めていたJN4クラス(旧JN2クラス)は、2019年から『1500cc以下の前輪駆動』に変更。トヨタ・ヴィッツやマツダ・デミオ、ホンダ・フィット向けのクラスに変更された。

 2500ccまでの後輪駆動車はJN3クラスに割り振られることになり、86/BRZはすべてJN3クラスへ移る。

 大変革が行われたJRCの2019年シーズンは、1月31日~2月3日群馬県で行われる『Rally of Tsumagoi』で幕を開ける。



■2019年、全日本ラリー選手権クラス区分
クラス2019年クラス規定出場可能車種(一部)JN6気筒容積が1500cc以下のRJ、RPN(ATに限定)およびAE(気筒容積別区分なし)トヨタ・アクア、トヨタMIRAI等JN5気筒容積が1500cc以下の前輪駆動のRJ、RPNマツダ・デミオ、ホンダ・フィット、トヨタ・ヴィッツ等JN4気筒容積が1500ccを超え2500cc以下の前輪駆動および4輪駆動のRJ、RPNスズキ・スイフトスポーツ、ホンダ・シビックタイプR(FN2)等JN3気筒容積が2500cc以下の後輪駆動のRJ、RPNトヨタ86、スバルBRZ等JN2気筒容積が2500ccを超える2輪駆動のRJおよび2輪駆動のRトヨタ・ヴィッツGRMNターボ、シトロエンDS3 R3、プジョー208 R2等JN1気筒容積が2500ccを超える4輪駆動のRJ、4輪駆動のRR5車両、スバルWRX STI、ミツビシ・ランサーエボリューション等

※各車両規定
RJ:JAF登録者をベースに作られる日本独自のラリーカー
RPN:2006年1月1日以降にJAF登録された車両をベースとしたラリーカー。RJに比べ改造可能範囲が狭い
AE:ハイブリッド、電気自動車などをベースに作られたラリーカー
R:グループR車両
なお、ターボ車の排気量は1.7倍換算。