F1から転向し、シュミット・ピーターソン・モータースポーツからインディカー・シリーズに参戦するマーカス・エリクソンが、セブリングでインディカーマシンを初ドライブ。「レースの情熱が戻ってきた」と好感触を得たようだ。
スウェーデン出身のエリクソン。2009年には全日本F3選手権でチャンピオンを獲得し、GP2シリーズにステップアップ。2014年にはケータハムF1から念願のF1デビューを果たし、翌年からはザウバーに移籍。2018年は6戦で入賞しシリーズ17位で終えていた。
しかし、2018年末でレギュラーシートは若手イタリア人のアントニオ・ジョビナッツィにシートを奪われるかたちとなったエリクソン。ザウバーとサードドライバー兼アンバサダーの契約を結んだが、一方で新たな戦場をアメリカのオープンホイールに見出すこととなる。
10月末、シュミット・ピーターソン・モータスポーツは、7号車のドライバーとしてエリクソンと契約。F1シーズンを終えるとアメリカに渡り、セブリング・インターナショナル・レースウェイでの初テストに挑んだ。
4日の朝、サーキットに着きピットから出ていくチーム・ペンスキーのインディカー・マシンを見たエリクソンは微笑んだようだ。
「今までに見たことのない車だよ。ほかのドライバーがピットアウトしていくのがカッコよく見えた。マシンは本当にクールさ。インターネットでたくさんの動画を見て準備してきた。今日はペンスキーもここにいることで完璧な場所になっているよ」とテスト前から興奮するエリクソン。
シュミット・ピーターソン・モータースポーツの7号車をドライブし終えると、「なんでレースに魅了されたのかという気持ちが戻ってくるよ。F1は常にF1なんだ。しかし、それはある意味作られたものだよ。完璧な場所だけど、レースではないと僕は言うだろうね。ここではレースの情熱が戻ってくるよ」
「ドライバーとしてこの車をよくするためにたくさんの仕事をがある。F1は常に完璧な状態からスタートするけど、ここでは自分のクルマを良くしていく必要がある。ドライバーにはより多くの仕事があるんだ。それが最大の違いだね」
「F1チームでの経験を活かしてチームを前進させることができると思っているけど、チームはすでに高いレベルにいるよ。セットアップの面ではテストの前に準備が整っていて、彼らの働き方に感銘を受けたんだ」とエリクソンは語っている。
チームのゼネラルマネージャーを務めるテイラー・キールは、「わからない人が見たら、この車はF1マシンと似ているけど、まったく別の動物だよ。パワーステアリングがなく、ダウンフォースも少ない。ダウンフォースと組み合わせたブレーキングは、インディカーではあまりよくないからね」
「だから、彼は慣れていかなければならないことがたくさんあるんだ。今日初走行をしているけど、ここまでは順調だね。学習曲線は急峻になるだろうし、彼は精神的にも良く準備をしている。すぐにアタックしていくだろう」とコメント。
3月10日の開幕戦に向けて準備するエリクソン。年明け早々に、もう一度プライベートテストを行うようだ。