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IZ*ONEが『FNS歌謡祭』で初歌唱 宮脇咲良ら擁する日韓合同グループ

2018年12月04日 19:21  CINRA.NET

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IZ*ONE
■日韓合同グループ「IZ*ONE」が日本の音楽番組で初歌唱

ガールズグループ「IZ*ONE」が、12月5日に放送される『2018 FNS歌謡祭』第1夜に出演し、日本のテレビ番組で初めて歌唱する。

韓国と日本の合同グループであるIZ*ONE(「アイズワン」と読む)は、韓国のMnetが企画したオーディション番組『PRODUCE48』から誕生した。10月29日にリリースされたデビューミニアルバム『COLOR*IZ』は、11月8日にリード曲“La Vie en Rose”が韓国の音楽番組『M Countdown』で1位に輝き、デビューから11日という韓国のガールズグループ史上最短での1位記録を樹立した。

同曲のPVは公開から3時間あまりでYouTubeでの再生回数が100万回を突破。さらには公開4日で1000万回を記録し、12月3日時点で3300万回を超えている。彼女たちは先日発表された韓国の音楽賞『Asia Artist Awards(AAA)』では新人賞を受賞した。

また日本でもオリコン週間アルバムランキングで初登場1位に輝き、米ビルボードのワールドアルバムチャートではトップ10にランクインするなど、韓国内だけに留まらない人気を見せている。

■オーディション番組『PRODUCE48』で選ばれた上位12人。センターは14歳

IZ*ONEは韓国人のメンバー9人、日本人メンバー3人の12人で構成される。

今年6月から約3か月にわたって放送された『PRODUCE48』は、I.O.I、Wanna Oneという人気グループを生んだ韓国のオーディション番組『PRODUCE101』と、AKB48グループのコラボ企画として行なわれた。AKB48グループからは39人が参加し、韓国の事務所に所属する練習生やすでに韓国でデビューしているメンバーたちとともにデビューを目指してしのぎを削った。

『PRODUCE101』は視聴者が「国民プロデューサー」となって、デビューさせたいメンバーに投票するシステムになっており、IZ*ONEとしてデビューした12人は番組に参加した総勢96人から選ばれた上位12人だ。

メンバーは番組の最終ランキング順に、チャン・ウォニョン(14歳)、宮脇咲良(HKT48、20歳)、チョ・ユリ(17歳)、チェ・イェナ(19歳)、アン・ユジン(15歳)、矢吹奈子(HKT48、17歳)、クォン・ウンビ(23歳)、カン・ヘウォン(19歳)、本田仁美(AKB48、17歳)、キム・チェウォン(18歳)、キム・ミンジュ(17歳)、イ・チェヨン(18歳)。TWICEが生まれたサバイバル番組『SIXTEEN』に出演していたイ・チェヨンをはじめ、オーディション番組に再挑戦してデビューを勝ち取った韓国人メンバーもいる。センターは番組で1位だったチャン・ウォニョンだ。

■番組で見せた日本人メンバーの成長

同じく日本人メンバー3人を擁するTWICEをはじめ、いまやK-POPグループに日本人がいることは珍しくなくなったが、IZ*ONEが他の多国籍グループと違うのはその日本人メンバーが日本一売れている女子アイドルであるAKBグループに所属しているということだろう(そもそも日韓両国で活動することを前提に結成されているので「K-POPグループ」という肩書が適用されるのかも微妙である)。特に宮脇咲良は『AKB48世界選抜総選挙』で3位にランクインしたことや、その美貌から『PRODUCE48』放送開始時から高い注目度を誇っていた。

番組では歌、踊りともに事務所で厳しい練習を積んでいて、すでにレベルの高いパフォーマンスを披露することのできる韓国人メンバーと、「特別なレッスンは受けていない」とこぼす日本人メンバーの大きな実力差が露呈しつつも、徐々に日本人メンバーも韓国のトレーナーのレッスンを受けてポテンシャルを発揮していった。宮脇咲良は始めのレベル分けで最上位のAランクに入ったが、最初はCランクだった本田仁美もダンスの実力を見せつけAランクに、矢吹奈子にいたっては最下位クラスのFからAにランクアップした。

どんなオーディション番組にも言えることだが、IZ*ONEは参加者の成長過程やデビューまでの道のりを視聴者が共有している分、デビュー前から彼女たちに思い入れを持つファンを多く獲得することに成功した。そのことは彼女たちがデビューからわずか11日で韓国の音楽番組で1位に輝くことができた要因の1つであったことは想像に難くない。

『PRODUCE48』の日本の視聴者の多くはAKBグループのファンもしくはK-POPファンのどちらかに二分されるだろうが、番組はともすれば交わることがなかったかもしれない日本のAKBファンとK-POPファンが交差するきっかけにもなっただろう。日韓のファンを意識して、IZ*ONEのSNSはしばしば日本語と韓国語の両方を併記して更新される。『PRODUCE48』は株式会社AMFが発表した「JC・JK流行語大賞2018」モノ部門でも4位にランクインし、日本のティーンからの注目度の高さを証明した。

■『FNS歌謡祭』では韓国で1位に輝いた、デビュー作のリード曲を披露

IZ*ONEは番組発の期間限定グループで2021年まで2年半わたって日本と韓国で活動するとされている。その間、日本人メンバーもAKBグループでの活動を休止し、IZ*ONEの活動に専念する(12月15日に宮脇と矢吹が出演するHKT48のコンサートは兼任ではなく、例外的な活動だという)。

韓国では音楽番組に多数登場し、新人賞も受賞したIZ*ONEは、11月発売の雑誌『non-no』にメンバー全員で初登場した。『2018 FNS歌謡祭』への出演を皮切りに日本での活動を本格化することも予想される。

『FNS歌謡祭』で歌う曲はデビュー作『COLOR*IZ』のリード曲“La Vie en Rose”だと発表されている。『COLOR*IZ』には秋元康が手掛け、『PRODUCE48』の課題曲となった日本語の楽曲“好きになっちゃうだろう?”も収録されているが、同曲ではなく、韓国でのリード曲を日本でパフォーマンスしてくれるのには期待が募る。さらにAKB48はIZ*ONEの3人を含む23人で新曲“NO WAY MAN”を歌うという。IZ*ONEとAKB48でのパフォーマンスの違いを楽しめるかもしれない。

韓国の音楽番組で生まれ、日本の人気アイドルメンバーを擁するIZ*ONEは、2年半の活動を通して日韓のアイドルファン、音楽ファンを繋ぐ存在にもなり得る。そのような希望をもって日本での初パフォーマンスを見届けたい。

IZ*ONEが登場する『2018 FNS歌謡祭』第1夜は、12月5日19:00から約4時間半にわたってフジテレビ系で放送される。なお第1夜の出演者にはBoAもラインナップしている。