ウイリアムズF1チームはロバート・クビカの起用について、2018年はシートを獲得できなかったにもかかわらず、彼がリザーブ兼開発ドライバーとしてチームに貢献したことが2019年のシート獲得の決定打となったことを明かした。
クビカは2017年、F1への復活を目標に定め、ウイリアムズでの数回のテスト走行に参加したものの、最終的にチームがロシア出身のルーキー、セルゲイ・シロトキンを選んだことでその機会を逸した。
それでもクビカにとって、2018年の開発ドライバーに就くことは次善の策だった。金曜日のフリー走行に何度か出走することで走行距離を稼げるだけでなく、自身の実力をウイリアムズに示す機会にもなるからだ。
最終的にはチームが2019年のドライバーラインアップを決める時期が来た段階で、それまでの開発作業への献身と、それを通じたチームへの貢献という事実が、彼にとって有利に働いた。
「私がロバートから最も好印象を受けたことのひとつは、今年のレースシートが獲得できなかったのに、彼が開発ドライバーの役割を引き受けたことです。それは彼の性格を大いに表していると思います」とチーム副代表のクレア・ウイリアムズは説明した。
「今年1年間、チームの舞台裏で働いてくれたという事実そのものが、彼にとっては来年のレースシート獲得に向けてとても貴重な経験になったはずです」
「彼はもうチームのスタッフ全員のことを分かっていますし、みんなと気が合うようです。彼は献身的で、チームのパフォーマンスを向上させるために多くの時間をファクトリーで費やしてくれました。彼は来年のレースに向けて完璧に準備が整っています」
「私たちがドライバー評価のプロセスに取り掛かったとき、彼がリストの最上位にいました。私たちにとっては、来年の戦いに向けてベストなドライバーを獲得できるのかどうかが何よりも重要でした」
2011年シーズンの開幕前にラリー事故で重傷を負ったことで、F1参戦は永久に不可能になったと考えられていたクビカは、2018年にウイリアムズのシートを獲得し損ねたことで、当初は誰もがこれで彼のF1復帰は大きく遠のいたと考えた。
■2018年のリザーブドライバーの仕事は大きな経験になったというクビカ
しかしクビカは、チームからのリザーブドライバーという提案を受け入れ、それを復帰に向けた新たなステージと位置づけて力を注いできた。
「多くの人は、それが僕にとってある種の失敗だとみなしたようだけど、僕自身はそうは考えていない」とクビカは語った。
「自分自身のためにとても有益な1年間だと思っていた。チームとともに働く機会が得られるし、マシンを走らせることもできるからね」
「みんなは以前の僕をイメージしているだろう。だけど僕にとっては、昨年チームに加わってテスト走行に参加したときが、新世代のF1マシンに乗れる2度目の機会だった」
「それによって僕は技術的な側面から今のマシンへの理解をもう少し深められたし、自分がレースドライバーの仕事に没頭している間にチームがどのように動いているかを別の角度から理解することもできた」
「とても有用な機会だったと思う。おそらく、ドライビングの観点というよりはチームワークの観点からだ。自分はどうすべきなのか、チームはどのように動くのか、そしてより良いチームワークのために自分たちには何ができるのかを考えることができたんだ」