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岩田剛典「まさかあんなに使用されるとは」 『炎上弁護人』Web記者役の裏側を語る

2018年12月04日 15:52  リアルサウンド

リアルサウンド

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 12月4日、東京・渋谷のNHKにて、12月15日にNHK総合にて放送のスペシャルドラマ『炎上弁護人』の試写会と記者会見が行われ、真木よう子、仲里依紗、岩田剛典(EXILE/三代目 J Soul Brothers)が登壇した。


 同ドラマは、アウトローな弁護士・渡会美帆と、SNSの投稿によって一躍ときの人となった“炎上主婦”・日下部朋美が、弁護士と依頼人という立場を越えて、固い絆で結ばれていくヒューマンドラマ。


 主人公・美帆を真木よう子、主婦・朋美を仲里依紗、2人を追いかけるWebニュース記者・馬場を岩田剛典が演じるほか、岡山天音、片桐はいり、小柳ルミ子、宇崎竜童、小澤征悦らがキャストに名を連ねた。


 作品の冒頭は、朋美がネットに書き込んだ言葉をきっかけに起きるモデルルームの火事から始まる。タイトルが“炎上”だったこともあり、実際に建てたモデルルームを燃やしたという。


 演出を務めた笠原友愛氏は、「数年前、小保方晴子さんや佐村河内守さんの騒動が起きたときにこの企画を考えました。そこから数年が経ち、この2018年もまさに“炎上”がクローズアップされた年であり、このタイミングで放送することができてよかったと思います。ネット上での炎上をきっかけに物語は展開していきますが、弁護士の美帆、主婦の朋美、ネット記者の馬場、3者3様の人間がどのように関わりあっていくのか、人として向き合うのかを見ていただければ。ネットが舞台ではありますが、熱い人間同士のドラマになったと思います」と作品の見どころを語る。


 大手企業の炎上案件をめぐり弁護士事務所を追われ、自宅兼事務所でネットに関する案件を担当する弁護士・美帆。『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)以来の主演作となる真木は、「素の自分にほとんど近い役柄で演じやすかったです。“炎上”というテーマですが、演じていて爽快感がありました」と美帆役について振り返る。


 アカウント名“マザー・テレ美”として、ネットの注目を集め、美帆に助けを求めるのが主婦・朋美。Twitterのフォロワー数が60万人を超えるなど、SNSを頻繁に使用している仲は、「“炎上”というテーマは、自分の身にとても近いものだと感じました。SNSを楽しんでやっていますが、その一方で何気ない言葉が誰かを傷つけていることもあるんじゃないか、そんなことを思った作品でもあります。自身のSNSのあり方について、ドラマを通していろんな方が感じていただければと」とコメント。


 元YouTuber、現ネット記者という“炎上”を追いかける男・馬場を演じた岩田は、これまでの役柄とは違った“軽さ”を見せている。岩田は「物語の中で変化球を投げる立ち回りでもあったので、非常に楽しんで演じさせていただきました。発信する立場としても、受け取る立場としても、その向こうに“人”がいること、人と人として向き合うことができればと、改めて思いました」と本作で得たものが大きかったことを明かす。


 劇中、ネット上で総タタキ状態にあった朋美が、自身の無実を釈明するべく、馬場の撮影でネット会見を行うシーンがある。このシーンは実際に岩田がGoProを使用して撮影した映像がそのまま使われているそうで、「まさかあそこまですべて使用されていると思いませんでした(笑)」と振り返ると、演出の笠原氏は「今までにない臨場感が出ていたと思います」とお褒めの言葉。岩田は「馬場として一番美味しいシーン、芝居をしないといけないんですが、カメラマンとして、しっかりと2人(真木と仲)の表情を収めないといけないというミッションもあった。違う神経をひとつ使う撮影でした」と今までにない経験だったことを明かした。


 劇中、記者に追われる立場となる真木と仲も、これは初めての経験だったそう。真木は「360度近く回りを記者の方に囲まれるのは初めての経験で、恐怖感がありました。悪いことをした政治家さんの気持ちが分かりました(笑)」とコメント。仲は、「朋美は誹謗嘲笑の言葉に追い詰められていきますが、それでも敵ばかりではなく、味方となってくれる人もいる。私たちの仕事も1人でも応援してくださる方がいれば頑張れるものだなと、改めて感じました」と本作の撮影を振り返った。(取材・文=石井達也)