2019年後期のNHK朝の連続ドラマ小説『スカーレット』のヒロイン役を、戸田恵梨香が務めることが発表された。
9月30日から放送される『スカーレット』は、滋賀・信楽の女性陶芸家・川原喜美子が主人公。焼き物を作り出していく情熱と喜びを糧に、失敗や挫折に負けずにがむしゃらに働く喜美子と、彼女を慕う人々との絆を描く。タイトルの『スカーレット』は陶芸に関係が深い炎を表す緋色から取られたものだという。
戸田恵梨香が演じる川原喜美子は1937年生まれ、大阪出身という設定。9歳で信楽に移住し、幼い頃から一家を支える働き者の女性として、男性の多い陶芸の世界に飛び込んで女流陶芸家の草分け的存在となっていく。
脚本は『夏子の酒』『ホタルノヒカリ』『母になる』などの水橋文美江。同作について水橋は「日本中から、いえ、世界中から応援され、愛されるヒロインを目指して……15才の戸田恵梨香さんから50代の戸田恵梨香さんが、とっておきの笑顔で駆け抜けていきます。元気な朝がやってきます。どうぞお見逃しなく、お楽しみに!……宜しくお願いいたします!」とコメント。制作統括は内田ゆき、音楽は冬野ユミが担当する。撮影は4月からスタートする予定。
■水橋文美江のコメント
戸田恵梨香さんという才能あふれる女優さんと、半年という長い時間をかけて、一人の女性の生きざまにがっつりと向き合えることを大変嬉しく、ありがたく、光栄に思います。彼女の繊細で豊かな表現力に魅了された一人として、さらなる彼女の新しい魅力をお見せできますよう、心を込めて紡いでいきます。舞台は戦後まもなくの混乱・復興期から、女性の生き方や働き方が大きく変化した高度経済成長期の辺りまで。日本中から、いえ、世界中から応援され、愛されるヒロインを目指して……15才の戸田恵梨香さんから50代の戸田恵梨香さんが、とっておきの笑顔で駆け抜けていきます。元気な朝がやってきます。どうぞお見逃しなく、お楽しみに!……宜しくお願いいたします!
■内田ゆきのコメント
連続テレビ小説という、女性の生きざまを描けるドラマ枠を担当することになり、女が、というより、人が生きていくって、なんだろう?と考えを巡らせました。ほとんどの人生は、喜びもあれば悲しみもあって、無理かなあ、でも頑張ってみよう、と、どうにかこうにか進んでいるはず。そんなことを脈絡もなく思いながらも、一つ決めていたのは、自分で何かをやる、やろうとする女性、そして他人のために一生懸命になれる女性の物語にしたい、ということでした。
そんな折、ふと手にしたのが滋賀県・信楽の女性陶芸家・神山清子さんの、自らの仕事と人生を振り返った短い手記でした。そこにあった、プロの陶芸家としての情熱と、次世代を育てる思いに惹かれ、さっそく信楽にお訪ねしました。印象に残ったのは、自らの手で、土と炎と格闘して生み出される陶芸の深い魅力。それに苦労話や笑い話が加わり、信楽での取材を重ねるうちに、強く明るく生きていく陶芸家の女性と、彼女をめぐる人々のドラマをつむぎ出したい、という思いが固まりました。
水橋文美江さんの、愛情いっぱいの筆で描かれる主人公・喜美子として、戸田恵梨香さんというすばらしいヒロインをお迎えできました。がんばるきみちゃんの物語に、どうぞご期待ください。