ABBフォーミュラE選手権は12月15日、南アフリカのディルイーヤE-Prixで開幕する2018/2019年シーズンで初導入されるオーバーテイクシステム“アタックモード”の使用例を紹介する動画をSNSで公開している。
ニッサン、BMW、メルセデスのワークス部隊であるHWAが新たに参戦するとともに、新世代マシン『Gen2』が採用されるフォーミュラEの第5シーズン。
新車導入によってレース中のマシン乗り変えがなくなり、レースフォーマットも45分+1周というものに変更されるなど、シリーズ創設後もっとも大きな変革が行われる今季、シリーズは既存のファンブーストに加えて新たなオーバーテイクシステムを採用。それがアタックモードだ。
このシステムは特定のドライバーが任意の場所で使用できるファンブーストとは異なり、予めコース上に設定されたエリアで誰しもがエクストラパワーを得られるもの。
アタックモードを使用するにはまず、指定エリアの手前にあるコーナーの侵入以前にステアリング上にあるシステム起動ボタンを操作し、次にアクティベーション・ゾーンと呼ばれる通常のレーシングラインから外れたラインを通過する必要がある。
このときアタックモードを使用するマシンはライバルに対してハンデを追うことになるが、コーナー開けのストレートで通常の放出パワーに25kWを上乗せしたエクストラパワーが得られることでオーバーテイクを成功させることができるという。
また、同システムの起動時にはドライバー頭部保護システム“ハロ”に埋め込まれたLEDが点滅することで、コースの外からでも利用の有無がひと目で分かるようになっている。
なお、アタックモードは全ドライバーが複数回使用することができるが、エクストラパワーを使用すればその分バッテリー残量が減ることになる。そのため、使いすぎれば終盤にガス欠ならぬ電欠を起こす可能性もあり、これまで以上にレースにドラマが生まれることになりそうだ。
今回公開された動画では、アタックモードの使用例をCGを使って視覚的に分かりやすく解説している。まもなく迎えるフォーミュラE新シーズンの予習として、ぜひチェックしておこう。