企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」は11月16日、「コンサルタントの年収が高い企業ランキング」を発表した。
本ランキングは、「キャリコネ」のユーザーが投稿した情報をもとに、職種「コンサルタント」の平均年収(※)が高い企業をまとめたものとなっている。
クライアントの課題抽出や分析、助言、戦略立案等を行うコンサルタントは、経営、会計、財務、人事、物流など、専門分野が分かれているケースが多い。また、ここでのコンサルタントには、公認会計士、税理士などのスペシャリストも含まれる。勤務先としては、コンサルティングファーム、シンクタンクのほか、監査法人などがある。高収入なイメージもあるが、コンサルタント職の年収が高いのはどんな企業なのだろうか。
※本ランキングの平均年収とは、キャリコネ会員のうち勤務先を評価対象企業に選択した会員が投稿した給与情報から算出したデータとなる。
2位アクセンチュア、「ここ3年かなり昇給率よい」(30代後半男性/年収1500万円)
1位:PwCあらた有限責任監査法人(平均年収885万円)
――4大監査法人のひとつで、監査業務だけではなく財務会計アドバイザリーサービスを展開。海外進出・上場、M&A等に関するコンサルティングを行う
「監査法人という業種上、現在の年齢の割に多くの給料をいただいていると思う。アソシエイト4年目であるが、あまり給与の上昇率は高くないものの、もともとの給与水準が高いので、現在の給与水準に満足している。具体的な金額であるが、アソシエイトで残業抜きで600万円弱くらいである」
(公認会計士/20代後半男性/年収635万円/2012年度)
「年度の人事考課結果によって、当年度の賞与額が決定するが、年収に占める賞与割合が高く設定されているため、メリハリのある給与体系となっている。賞与が年1回であるため、下期の評価が通年評価に影響する割合が大きく感じられるが、能力には昇格/成果には賞与という考え方が浸透しており、納得感はある」
(組織・人事コンサルタント/20代後半男性/年収750万円/2015年度)
2位:アクセンチュア(平均年収881万円)
――53か国でグローバルに事業を展開する外資系総合コンサルティングファーム。IT領域に強みを持ち、開発・保守までサポートできる技術力を持つ
「ここ3年ぐらい、同業他社を意識し、かなり昇給率よい。またトップパフォーマに対しては個別に一時金が支払われる等、報酬面は昔に比べるとかなり改善された」
(コンサルタント/30代後半男性/年収1500万円/2018年度)
「評価は、プロジェクトでの同ランク評価グループでの相対評価→所属部署における同ランク評価グループでの相対評価という順番で行われる。どちらも実際に仕事を行っていた上司が他の上司と相談しながら評価を行うため、妥当性は高く、ボーナスや昇給などもその評価によって決まる」
(コンサルタント/30代前半性/年収900万円/2012年度)
3位:野村総合研究所(平均年収849万円)
――調査・分析・提言を行うシンクタンクとしても有名なSIer。経営コンサルタント、法務スペシャリストなどの職種がある
「院卒入社時に650万円(税込、残業込)が支給され、毎年度50万円ずつ昇給するため7年目で1000万円を超える。ほとんどの人は7年目で主任に昇格し、10年目に1200万円まで昇給する。11年目以降、評価によって差は出るが上級に昇格すると各年の評価によって1200~1800万円が支給される。ちなみに部長級は2000万円、本年度から導入されたパートナーは営業実績によって最大6000万円まで支給される」
(経営コンサルタント/30代前半男性/年収1000万円/2012年度)
「入社後10年間はほぼ横並び評価であり、30歳で年収1000万円が平均ケース。10年目以降は、PJT稼働率と営業実績の2つで評価され、大きな差がつくのは後者。営業実績は個人の実績も影響するが、上司が優良顧客基盤・コンサルティングメニューを保有するか否か(即ちロールモデルか否か)にも依存している」
(経営コンサルタント/30代前半男性/年収1000万円/2016年度)
トーマツ、「残業、賞与合わせて年収は最低800万円」
4位:デロイト トーマツ コンサルティング(平均年収827万円)
――経営戦略、M&Aなどの目的別専門性と、金融・自動車などの事業別専門性をかけあわせてプロジェクトチームを組み、クライアントをサポート
「院新卒で提示額が540万2000円(年俸制)。ここには月収換算4か月分のボーナスが含まれる。福利厚生はカフェテリアプランがあるほか、退職金も出る。ただし住宅補助は出ないため、同業大手日経企業と比較して、初任給が突出して高いわけではない。入社までに簿記2級およびTOEIC900点の取得が求められるが、予備校の費用などは会社が負担してくれる」
(経営コンサルタント/20代後半男性/年収600万円/2015年度)
※2020年度新卒採用では、コンサルタント職の院卒初任給は540万3200円
「しっかりとした成果を残せば大体不満のない水準のものが支給されていると感じます。評価によって次年度の基本年俸のアップ率が決められており、当年度の基本年俸の何パーセント増し、のような形で次年度の年俸が決まるため、評価が高ければどんどん給与は上がります。会社の業績が良いため、賞与もしっかりと出ます」
(経営コンサルタント/30代後半男性/年収1200万円/2015年度)
5位:有限責任監査法人トーマツ(平均年収820万円)
――業界1位の業務収入を誇る監査法人。IFRS導入やM&Aのサポートなど、専門知識を活かしたアドバイザリー事業を展開
「シニアスタッフ(ほとんどの人は入社4年目に昇格)に昇格するとかなり待遇が良くなります。今はサービス残業についてもかなり厳しくなり、みなさん残業時間はきちんと申請しています。残業、賞与合わせて年収は最低800万円くらいです。シニアスタッフ昇格後3年目くらいには、ほとんどの方が1000万円を超えると思います」
(公認会計士/20代後半女性/年収800万円/2017年度)
「入社年度によっても異なりますが、月額給与30~35万円に加えて賞与が支給されるため、一般の新卒採用の初任給と比べると優遇されていると思います。また、人によっては残業をすることによって手取り給料の額をかなり増額させる方もいます」
(公認会計士/20代後半男性/年収650万円/2010年度)
アビームコンサルティング「今年度からベースがアップ」(30代前半男性/年収880万)
6位:プライスウォーターハウスクーパース(平均年収811万円)
「評価制度は5段階(以下1:低~5:高とする)となっており、ボーナスに大きく反映される。3の評価の人は標準ボーナス額となり、概算で4の評価だと標準ボーナス額の2倍、5の評価だと標準ボーナス額の3倍程度が支給される。ただし評価が低い人も同様にボーナスに大きく影響する」
(生産・物流コンサルタント/30代前半男性/年収800万円/2014年度)
7位:日本アイ・ビー・エム(平均年収803万円)
「昇給するためには、バンドという等級を上げるもしくは年度評価で上位20%に入る必要がある」
(経営コンサルタント/20代前半女性/年収600万円/2014年度)
8位:EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング(平均年収725万円)
「基本給は、アナリスト450万円、コンサルタント480万円、シニアコンサルタント550万円~。これにプラスし、ボーナス(業績賞与手当)が夏冬に支給される。ただし、同じタイトルでも、新卒者と中途では異なるという話もあるので個人により異なる」
(経営コンサルタント/20代後半男性/年収480万円/2015年度)
9位:EY新日本有限責任監査法人(平均年収724万円)
「報酬は妥当と考えている。転職した今、それなりに納得する額だったと感じる。社風として風通しもよかったので、能力が高い人はきちんと評価される組織だったと思う」
(公認会計士/20代後半男性/年収660万円/2011年度)
10位:アビームコンサルティング(平均年収706万円)
「外資系コンサルほどは貰えないが、十分満足できるほどは貰える。なお、今年度から報酬体系が変わり、ベースがアップする想定」
(会計コンサルタント/30代前半男性/年収880万円/2018年度)
調査対象は、『日経業界地図 2018年版』(日本経済新聞出版社)に記載があり、対象期間中に「キャリコネ」に職種「コンサルタント」のユーザーから給与明細投稿が10件以上ある企業。対象期間は、2015年4月1日~2018年3月31日。回答者は、キャリコネ会員のうち勤務先を評価対象企業に選択した会員。
※本ランキングの平均年収はユーザーから寄せられた情報をもとに算出しており、企業が発表している数値とは乖離していることがある。