日本財団は12月3日、障害者に関する調査の結果を発表した。調査は今年11月、全国の17~19歳の男女800人を対象に実施した。
障害のある人が困っているときに手助けをしたことがあるという人は45.8%にとどまった。手助けをした理由を複数回答で聞くと、「手助けするのは当たり前だと思う」が48.1%で最も多く、次いで「困っているときはお互い様だと思う」が39.6%だった。
一方、機会はあったのに手助けをしたことがない人に理由を聞くと、1位は「どう手助けしたらよいか分からなかった」(34.6%)、2位は「その必要がないと思った」(24%)だった。町中で障害のある人を見かけても、手助けが必要なのかどうか、どう助ければよいのか戸惑う人が多いことがわかる。
国や自治体の雇用率水増し問題、約4割が「あってはならない」と回答
法律で障害者の雇用率が定められていることを知っている人は50%にとどまった。さらに民間企業の雇用率が約1.9%であることを知っている人は18.5%しかいなかった。
民間企業の法定雇用率は2.2%だが、これで障害者の雇用の機会が十分に確保されていると思うかどうか聞くと、「はい」が10.4%、「いいえ」が44.4%だった。
十分だと回答した人からは、
「障害のない人でさえ良待遇を得るのが厳しいためこれ以上増やす必要を感じない」
「健常者の就職率が下がる」
といった意見が寄せられた。
一方、不十分だと答えた人からは、
「普通の生活だけでも不便なのにさらに収入源まで制限されるとなると本当に大変だと思う」
「障害の重さにもよるがもう少し働ける人がいるように感じられる」
「働きたい人がいるのに少なすぎる」
といったコメントが寄せられた。働く意欲や能力のある障害者を受け入れるためにも、法定雇用率を引き上げるべきだと考える人が多かった。
また、国や自治体が障害者の雇用率を水増ししたことについてどう感じたかを聞くと、45.4%が「あってはならない」と答えた。「よくわからない」は29.8%、「気にならない」は13.3%、「やむを得ない」は11.6%だった。
「あってはならない」と答えた人からは、
「今後も水増し不正が続けられることで障害者雇用が進まないから」
「障害者は人生を生きる上でハンデがあり、その為の法律があるにも関わらず、その法律がきちんと機能されていないから」
といった意見が寄せられていた。