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KAT-TUN、困難を乗り越え再始動した3人のまっすぐな姿ーー密着ドキュメンタリー第1回

2018年12月03日 12:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 ドキュメンタリー番組『RIDE ON TIME~時が奏でるリアルストーリー~』(フジテレビ系)の第3弾「KAT-TUN再始動 激動の300日」が11月30日からスタートし、エピソード1が放送された。


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 「アイドルという言葉の持つ華やかな響きとはある意味真逆の、過酷な運命と向き合ってきた男たちだ」と風間俊介のナレーターで映像が進んでいく。


 ステージに向かう途中、亀梨和也はワンフレーズを口にし、上田竜也は無言で歩いていた。中丸雄一の「なんか久しぶりだな。円陣組んだ方がよくない?」の呼びかけに無言で応じる亀梨と上田。「やるぞっ!」中丸の掛け声に、「へい」「ういっす」など普段からいい慣れているであろう言葉と共に三人が手を合わせた。


 『RIDE ON TIME』では、充電から復活までの300日に密着していた。2006年の東京ドームで行われたデビューコンサートからの軌跡を紹介。KAT-TUNは2001年に6人でデビュー。しかし2010年、2013年、2016年と、ほぼ3年周期でメンバーが脱退した。


 これについて、中丸は「あれほどきつい空気はないですね。何月で辞めることが決定して、まぁ数カ月一緒にいなきゃいけないっていうのは。なんとも言えない気持ちになりますね」。上田も「やっぱそれぞれ3人は3人の人生があって3人が選択している生き方だから認めざるを得ないっていうのはあるんですよ、正直」。二人とも冷静なトーン、表情を浮かべて語っていた。


 KAT-TUNは2016年の10周年記念ツアー最終日、5月1日の公演をもって無期限の“充電期間”に入ることになる。充電前のコンサートの最後の挨拶で亀梨はファンにむけてこんな言葉を残した。


「これがKAT-TUNを守るために必要な時間だったと絶対に思えるように、それまでみなさんよろしくお願いします」


 「KAT-TUNをどういう風に継続し、より成長させていけるかっていうのは、もう意地というか美学というか、辞めたメンバーに対しても。プライドでもあるのかな」しばしば鋭い目をしながら一点をみつめて語った亀梨。続けて「ファンの子たちに対しても。だからこそ自分から崩すようなことはしたくない。美学なんだろうな……KAT-TUNを存続させることっていうのは。責任なのか」との言葉も残していた。


 カメラは、2018年4月に東京ドームで行われた復活コンサートに向けて、コンサートグッズの一つであるうちわ撮影の様子に密着していた。


 「おちゃめというよりはカッコよく」スタッフからのオーダーを聞くと、「よっしゃ!充電開け一発目の気合を届けよう」と決め顔で撮影に挑んだ亀梨。モニターをみていたのか、スタッフから笑い声が漏れると、亀梨の変顔画像が映っていた。


 一方、上田は撮影が早く終わった。カメラマンからは「撮れたな」という声が聞こえてきた。「だってカッコいいの撮れてるもん」と褒め言葉にもクールな表情を浮かべたまま。また中丸に限っては、毎年ほぼ変わらないうちわがファンの間では有名だが、これについては「そろそろこれお客さんが買う理由なくなるでしょうね」と漏らした。うちわの撮影一つとっても個性的だ。


 コンサートの準備中に亀梨が32歳の誕生日を迎えた。今後の抱負を聞かれると「とにかくグループがまた動き出せるということでいい形でまた二人と関われたらな」とコメント。また、自身のラジオでファンからコンサートを楽しみにしていると言われたことなどをきっかけに「そこだ!」と再認識したことなどを語った。


 亀梨のソロパートのリハーサルでは「絶対に右手、死んでも離さない」と漏らした。自分の腕だけが頼り……圧巻のパフォーマンスは危険を伴うものでもあった。けがをしようものならば他の仕事に影響が出るかもしれない。それでも亀梨はハイテク技術に頼らず、少しでも血の通ったパフォーマンスを選んだという。覚悟でしかない。


 2018年4月。復活コンサートでみせたパフォーマンスの裏側が観られるのは垂涎だ。真っ先に音合わせしたという楽曲が「RealFace #2」だったことはファンにとってうれしい情報だったのではないか。


 困難を乗り越えて再始動した彼ら。ファンがこれまでみてきた彼らとさほど変わらないまっすぐで強い3人の姿があった。


 これまでの軌跡について、涙を流すでも悲しむでもない、どんな逆境もブレずにしなやかに突破してきた、もはや腹を括った30代男性たちのドキュメンタリーだ。ファンではない人たちにこそ見て欲しいと、ファンとしても胸を張って紹介できる番組になりそうだ。(柚月裕実)