デモランでは、ニッサンのEVマシンたちが隊列を組んで走行 日産自動車は12月2日、富士スピードウェイで開催した『NISMO FESTIVAL 2018』のなかで、12月からワークス参戦を開始するABBフォーミュラE選手権参戦車両によるデモラン『Formula E DEMO RUN』を実施。市販車のリーフ・ニスモや先日発表されたリーフ・ニスモRCなどと隊列を組んで走行し、ファンの視線を釘付けにした。
ニッサンは第5シーズンにあたる2018/19年シーズンから、電動フォーミュラで争われるフォーミュラEに日本メーカーとして初めてワークス参戦する。フォーミュラEは、この第5シーズンから使用するシャシーを刷新し、分割されたリヤウイングなどアグレッシブなスタイリングの第2世代シャシー"Gen2”で争われる。
ルノーに代わって強豪e.ダムスと組み、ニッサン・e.ダムスとして参戦するニッサンは、3月のジュネーブモーターショーでカラーリングを発表したほか、11月30日にはセバスチャン・ブエミとオリバー・ローランドをレギュラードライバーに据え、スーパーGTを戦う高星明誠とヤン・マーデンボローをそれぞれリザーブ兼テストドライバー、公式シミュレータードライバーとすることが発表している。
そんなニッサン・e.ダムスのマシンが富士で開催されているオフシーズン恒例のイベントであるニスモフェスティバルに登場。高星がステアリングを握り、日本のファンの前で初めて、その走りを披露した。
ニッサンとしては、すでに公式テストに参加して走行を開始しているほか、国内でもマシンの展示などは実施済み。ただ、このGen2マシンが日本で走りを披露するのは今回が初めてだ。
ピットロードを逆走し、コントロールタワー前からホームストレートへ入ったフォーミュラEマシンは、まずはゆっくりとしたスピードでストレートを通過すると、白煙を上げながらドーナツターンも披露。
その後、コースを逆走して最終コーナー側へ向かった高星のマシンはふたたびUターンすると、今度はレーシングスピードまで加速してグランドスタンド前を通過。電気自動車ならではの静けさとレーシングマシンならではの風切り音、スキール音を響かせてファンの視線を釘付けにした。
高星操るフォーミュラEマシンは、何度かホームストレートを通過すると、今度は松田次生と近藤真彦監督がドライブするニッサン/ニスモのEVレーシングカー『ニッサン・リーフ・ニスモRC』を2台引き連れてランデブー走行を披露したほか、最後には藤井誠暢、千代勝正のドライブするリーフ・ニスモ2台とあわせて計5台による隊列で走りを披露した。
デモランを終えると、コース上にはフォーミュラEをドライブした高星とレギュラードライバーのローランドやシミュレータードライバーのマーデンボロー、ニスモの片桐隆夫CEO、グローバルモータースポーツダイレクターのマイケル・カルカモなどが集結してファンに言葉を送った。
そのなかで高星は「みなさんの前でフォーミュラEのクルマを披露することができて、うれしいです」とデモランをふり返っている。
「(フォーミュラEに)リザーブドライバーとして携わることになりました。どういった形でプロジェクトに関わるかは、まだわかりませんが、レギュラー(ドライバー)のふたりが頑張ってくれると思うので、彼らをしっかりサポートしたいと思います」
「スーパーGTとあわせて、フォーミュラEの応援もよろしくおねがいします」
マーデンボローは「僕の仕事は(シミュレーターを通じて)レースごとにマシンの最適なセットアップを提示して、可能な限りドライバーたちをサポートすること。僕にとっても新しいチャレンジだけど、楽しみにしているよ」としたほか、ローランドは「みんなからの声援、ファンブーストへの投票を楽しみにしているよ」とフォーミュラEならではのファンブーストへの投票を呼びかけた。
デモンストレーション終了後には、グランドスタンドの日産応援団からレースウィークさながらの声援が飛び、ドライバーたちも拳を上げて声援に応えていた。