WEC世界耐久選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racingは2019年3月15日、アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで開催される第6戦セブリング1000マイルに先立ち、同サーキットでのプライベートテストの準備を進めている。
シリーズで唯一、LMP1ハイブリッドマシンを投入するメーカーワークスチームとして2018/2019年のWEC“スーパーシーズン”に挑んでいるトヨタ。前戦上海までに4勝、計4回のワン・ツー・フィニッシュを飾っているチームは約4カ月後に開催される次戦セブリングで5勝目を挙げるべく、2019年2月中に“予防的意味を持つテスト”を実施するつもりだ。
トヨタのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンは「3月に行われる1000マイルレースの前に、同コースの感触を確かめておきたい」とSportscar365に語っている。
WECのセブリングラウンドは2012年の開幕戦として開催された実績があるが、この年、トヨタは第3戦のル・マン24時間から参戦を開始したため、同地でのレース経験がない。また、2016年を最後にLMP1から去ったアウディは例年、オフシーズンにセブリングで新車のテストを行なっていたが、トヨタは欧州内での実施に留まっていた。
この点についてバセロンは以前、セブリングでのテストを「必須ではない」と語っていた。その理由は、トヨタが例年耐久テストを行なっているポルティマオのデーター特性と、セブリングのシミュレーターデータが多くの点で共通しているためだ。
しかし、その後トヨタは方向を転換。「セブリングでTS050ハイブリッドを走らせた経験がないため、コースについて少し学んでおきたいんだ」とバセロン。
「フロリダのコースはポルティマオとよく似ているが、実際にデータを確認してみたいと思う。そこで何か特別なものが見つかった場合には、早急に調整したい」
「我々はテストに向けて準備を進めるが、コストを下げるためにいくつか持ち込まない物もあるだろう。セブリングに行くのはいつもタイトで高額の費用が掛かるんだ」
トヨタのLMP1カー2台は上海からアメリカに向かうシリーズの海上輸送船に積まれることなくドイツ・ケルンに運ばれたとみられ、年明け後の1月にスペインのモータースポーツランド・アラゴンで別のテストが実施される見込みだ。その後、マシンは空輸でアメリカに送られ、2月5日から3日間の日程でセブリングテストが行われる予定だ。
LMP1各チームには2018年2月からスーパーシーズン最終戦のル・マン24時間までの間に、12日間のオープンテストと3日間の非公開テストの実施が許可されているが、今回トヨタが行なうのは公開テストであると予想される。
なお、WECは第6戦セブリング1000マイルの開催前週、3月9~10日に合同オープンテストを開催するとアナウンスしている。