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「ソウシオオツキ」はなぜ旧日本軍の軍服から着想を得て服を製作したのか?

2018年11月28日 18:53  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

実際に使用されていた旧日本軍の軍服の展示 Image by: FASHIONSNAP.COM
大月壮士が手がける「ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)」が、2019年春夏コレクションを発表した。テーマは日本の軍歌から引用した「月月火水木金金」で、2018年春夏コレクションから3シーズンに渡り旧日本軍の軍服から着想を得たアイテムを製作。「戦争を想起させる」といった意見もある中で、なぜ旧日本軍の軍服をテーマに服を作ったのか?

 2015年にスタートした「ソウシオオツキ」は、日本人の精神性とテーラードのテクニックから作られる"ダンディズム"を提案するメンズブランド。2016年には、若手ファッションクリエイターの育成・支援を目的としたファッションコンテスト「LVMH Young Fashion Designers Prize(LVMHプライズ)」のショートリストに選出された。
竹で製作したラックに並ぶ2019年春夏アイテム
 2019年春夏コレクションの展示会の会場には、当時実際に使用されていた旧日本軍の軍服を展示するほか、竹で製作したラックや1930年代の新聞が並べられた。大月は靖国神社にある「遊就館」や愛知県にある「博物館明治村」へ足を運ぶなどリサーチを重ね、墨汁による旧日本軍のカモフラージュ柄をイメージしたアイテムや、1930年代の新聞の紙面をアレンジした柄のシャツなどを製作。2019年2月から取扱店舗で順次販売していく予定だ。
左から)2018年春夏コレクション、2018年秋冬コレクション、2019年春夏コレクションImage by: SOSHIOTSUKI
■2019年春夏コレクション全ルック
 旧日本軍の軍服から着想を得てアイテムを製作する理由について大月は「MA-1の製作を通してミリタリーを深掘りしたことがきっかけ」と説明。政治思想を込めたわけではなく、MA-1やモッズコートといったアパレル市場で消費されている海外のミリタリーウェアと同じように、袋布を取り付けただけのポケットや、刀の使用を想定して付けられたスリットなど旧日本軍独自のディテールのデザイン性の高さに着目してコレクションを製作したという。今後について大月は「3シーズンにかけてこのシリーズで製作してきたので、ストリートなどの違うテイストとミックスするなど新しい提案をしていきたい」と、次回からはまた別の切り口でコレクションを製作するという。