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有村架純が過去を受け入れ、ついに岡田健史の元へ走り出す 『中学聖日記』が見せた“純愛”とは

2018年11月28日 15:22  リアルサウンド

リアルサウンド

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 『中学聖日記』(TBS系)第8話は、ついに聖(有村架純)が晶(岡田健史)を愛する決断を下した回となった。今まで聖の思い悩む姿にやきもきしていた視聴者も多かったであろう中、かつて晶が聖を求めたように、聖は晶の元へ走り出したのだ。


参考:<a href=”http://www.realsound.jp/movie/2018/11/post-284535.html”>その他画像はこちら</a>


 第8話は、晶の母・愛子(夏川結衣)が聖の元を訪れる場面から始まる。晶が聖に恋をしたことがきっかけで、晶と疎遠になってしまった愛子は聖への怒りを露わにする場面が多々あったが、ついに再会する形となる。夏川のどこか取り憑かれたような目つきと聖の挨拶を遮って「晶、来ましたか? ここに来ましたか?」とか細い声ながらもまっすぐに問いかける気迫は、ホラー映画をも凌駕するような恐ろしい演技だった。それに呼応するかのように動揺を隠せず、怯える有村も見事で、今回のハイライトの一つと言える。愛子は聖の行いの「被害者」であり、まさしく過去の亡霊として聖を恐怖させる。


 そして、もう一人聖と敵対する存在として挙げられるのが、聖が赴任している小学校の生徒・彩乃(石田凛音)の母親・美和(村川絵梨)だ。美和は愛子に近づき、聖が過去に淫行の疑いで教師を辞めた事実を広めるが、聖のよき理解者である千鶴(友近)の機転によってその事実はなかったことに。嘘の噂を流したとされた美和は周囲から避けられ、娘・彩乃との溝も深まり、自暴自棄になる。事なきを得た聖だったが、酒に走る美和を気にかけずにはいられない。愛子と美和の存在によって、聖は再び過去と向き合わざるを得なくなったのだ。


 そんな中、再び聖を求めて晶が現れる。晶は聖と再会して以来、付き合っていたるな(小野莉奈)に別れを告げ、学校やバイトにも顔を出さなくなっており、中学生時代に戻ったかのようだ。3年前のことが原因で追いつめられていた聖は晶を拒絶するが、晶は「過去を捨てて、新しい場所で新しい自分になれると思ってる。でもそれって幻想ですよね? 僕なら過去をなかったことにしない」と強い口調で反論する。聖は、自分が一番思っていたことを晶によって指摘されたのだ。あらゆる感情表現がまっすぐな晶は、自分の感情をどこか偽っている聖の心を揺り動かしてきた存在であり、だからこそ聖は晶に惹かれたのかもしれない。


 晶の言葉を受けて、聖は、美和をはじめとする生徒の母親の前で過去を洗いざらい告白。「自分に嘘をついて、逃げ続けているようじゃ何にも変われない。いい先生になるなんて無理です」と力強く口にする聖は、今までの聖とは違う。過去を受け入れて前に進むことを決めた聖は大きな成長を遂げたのだ。


 一方の晶は、愛子とも話さず、進学もしないという晶の様子を見かねた上布(マキタスポーツ)と口論に。家を出て、会ったことのない父親がいるという島へ単身で向かうことを決意する。島へのフェリーに乗る前に、晶は電話で「先生、頑張ってください。最後にそれだけ言いたくて」と聖に別れを告げる。


 晶の言葉で前を向くことができた聖は、晶とこのまま別れることはできない。恋人である同僚・野上(渡辺大)は実家の料亭を継ぐことになり「一緒にこの町を出ませんか」と聖を誘うが、聖は晶の行方が気になってしょうがない様子。思いが届かないと悟った野上は、聖に晶の元へ行くことを促す。


 ついに聖は自転車に乗り込み、息を切らしながら晶の元へ。その姿は、3年前に子星中学校を去る聖を追いかけていた晶とそっくりだ。ついに自分から走り出した聖は、今回で『中学聖日記』最大のテーマである“純愛”の体現者となったと言える。聖と晶はフェリーに乗り、晶の父親がいる島に逃避行する形に。学校や社会から離れた2人の恋は今後どのような形を迎えるのだろうか。岸谷五郎演じる晶の父親も登場を控え、『中学聖日記』はクライマックスへと向かいつつある。 (文=島田怜於)