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クールジャパン機構、クモ糸繊維の開発行うベンチャー企業スパイバーに30億円出資

2018年11月28日 13:32  Fashionsnap.com

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(左から)スパイバー取締役兼代表執行役の関山和秀氏、クールジャパン機構 専務取締役COO兼CIOの加藤有治氏 Image by: FASHIONSNAP.COM
クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)が11月28日、人工合成クモ糸繊維の開発で知られるバイオベンチャー企業のスパイバー(Spiber)に30億円を出資したと発表した。

 スパイバーは山形県鶴岡市本社を構える慶應義塾大学発のバイオベンチャー企業で、2007年に設立。人工構造タンパク質由来の繊維素材「クモノス(QMONOS®︎)」の開発や生産に取り組んでいる。
 今回の出資によりスパイバーは、クモノスの本格的な量産化に向け、同社初の人工構造タンパク質の発酵・精製プロセスを担う生産拠点をタイに建設。2021年に商業生産の開始を目指しており、出荷された人工構造タンパク質は本社内の紡糸設備で繊維に加工される予定だ。今後の取り組みとしてアパレル事業などにおいて様々な施策や商品展開を予定しており、詳細については年内に順次発表する。また、将来的にはラグジュアリーブランドや著名なクリエイターとのコラボレーションも検討しているという。
 クールジャパン機構 専務取締役COO兼CIOの加藤有治氏は、今回の出資について「スパイバーが開発した素材は応用範囲が広いのでクールジャパンの目的がぼけてしまいがちだが、我々の狙いはあくまで日本発アパレルの世界展開。開発フェーズからアパレルの量産フェーズに移行したスパイバーをしっかりと支援していきたい」とコメント。最先端の素材・繊維開発技術を活用した日本のもの作りをグローバルに発信し、世界のアパレル市場における新たな需要を開拓するとともに、国内繊維産業の関連事業者とビジネス連携することで同産業の発展に貢献していくという。
■スパイバー:公式サイト