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西畑大吾が語る、芝居に対する考え方 「僕の活動が関西ジャニーズJr.に何かいい形で還元できたら」

2018年11月27日 17:52  リアルサウンド

リアルサウンド

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 毎週火曜21時より放送中の連続ドラマ『僕らは奇跡でできている』(カンテレ・フジテレビ系)は、生き物のフシギが大好きな大学講師・相河一輝(高橋一生)が周囲の人々を翻弄しながらも、常識や固定観念にとらわれないものの見方で、周囲に緩やかな変化をもたらしていくコミカル・ハートフルドラマだ。


参考:高橋一生に女性スタッフは目がハート? 榮倉奈々がドラマ撮影現場の様子明かし、西畑大吾は対抗


 そんな本作で一輝に翻弄される1人を演じているのが、なにわ男子/関西ジャニーズJr.の西畑大吾だ。一輝の講義を受ける大学生・新庄龍太郎の役作りをはじめ、主演の高橋一生とのやり取りや、テレビドラマ初出演となったNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』の存在、そして自身の役者としての考え方について、西畑大吾本人に話を聞いた。


ーー西畑さんが本作で演じている新庄龍太郎は、“ちょっぴり天然な大学生”という役どころです。


西畑大吾(以下、西畑):自分のダメなところを分かっているのに、自分に素直になれない感じとか、すごく可愛らしいところがある子だなと感じています。自分自身に似ているところはあまりないんですけど、愛着はものすごくありますね。


ーー標準語での演技はどうですか?


西畑:違和感しかないです(笑)。最近は慣れてはきたんですけど、たまにイントネーションが難しい台詞があったりするので、そこは同じ大学生役の他の3人(矢作穂香、北香那、広田亮平)に教えてもらいながら気をつけています。意外と一単語とかの短い台詞が、イントネーションで自然と関西弁が出てきてしまうので難しいんですよね。でも、標準語でお芝居をさせていただく機会も増えてきたので、逆に関西に戻って関西ジャニーズJr.のメンバーと話をすると、たまに標準語が出てしまって、「めちゃ気持ち悪い」って言われます(笑)。


ーー関西人あるあるですね(笑)。主演の高橋一生さんの印象は?


西畑:もう素晴らしいです。やっぱり先生やから、大学のシーンとかの台詞の量がめちゃめちゃ膨大なんですよ。だけど、僕は一生さんが台本を確認しているところを見たことがなくて。だから、たぶん全部頭に入っているんでしょうね。しかもミスをしたところもあまり見たことがないんです。ドライやテストで段階を踏んでいって、本番で全部を出している感じがすごくします。そういうところは本当にすごいなぁと思いますし、もう相河先生にしか見えないです。でも、一生さんはおちゃめなところもあるんですよ(笑)。


ーー例えばどういうところですか?


西畑:大学のシーンは、だいたいまず先に先生の方向を撮って、そのあと生徒の方向を撮るんです。先生方向のときはもう相河先生でやられているんですけど、生徒方向を撮る時は、カメラを向けられていないことをいいことに、めちゃめちゃボケはるんですよ。こっちとしてはもう笑いをこらえっぱなしで(笑)。そういうところも含め、役者としてすごく鍛えられますし、いい刺激にもなっています。


ーー高橋一生さんは制作発表会見の際に、「セリフの言い方をこっちが変えると、変わるんです。それは相手のお芝居を見てないとできないこと。テストと本番であえて変えて、予定調和にならないようにしてるんですけど、それに対していち早く対応してくださる」と、西畑さんのことを絶賛していました。


西畑:ありがたいですね。一生さんがアドリブをされると、「あっ、これ試されてるな」って思ったりするんですよ。そして「これは応えないと」ってなるんです。アドリブをされると自分自身ゾクッとするんですよね。それに対して、いい意味で勝負したいというか、相手がゾクッとするものを僕も返したいと思っています。


ーー高橋さんが演じている相河先生は、西畑さんの目にはどのような人物に映っていますか?


西畑:自分の芯を強く持った、人に流されないしっかりした人ですよね。こんな人、実際にはなかなかいないと思うんです。僕自身もそうなんですけど、今の若い人たちって、いい意味でも悪い意味でも流されやすい。なので、これだけ芯が強くて、自分を持っているのは、すごくいいなと思いますし、羨ましいですね。


ーー極端にマイペースな性格のため、周囲からは“変わり者”として見られてしまうところもあります。


西畑:このドラマのひとつのテーマでもあると思うんですけど、“普通”が“普通じゃない”ということですよね。“普通”って、誰かが勝手に決めた線引きで、相河先生はそれを超えていくだけ。だから、僕自身も「これが普通で、これは普通じゃない」というような考え方はしないようにしないといけないなとすごく感じますね。生き方としてはすごくカッコいいですし、人としても学ぶことはたくさんあります。一生さん自身と重なる部分も大きいですね。


ーー同じグループの大学生役を演じている、矢作穂香さん、北香那さん、広田亮平さんとの関係性はどうですか?


西畑:僕は大学に行かなかったのであまりよくわからないんですけど、距離感で言うと、実際はもっと離れているんじゃないかなと思うぐらい、近いと思います。高校の部活とかに近い関係性かもしれません。本当にくだらない話もよくしているので(笑)。僕みたいな変わり者を受け入れてくれているのは、すごくありがたいなと思います(笑)。


ーー最初からそれぐらいの距離感だったんですか?


西畑:いや、最初なんかもう無言の嵐で(笑)。一応、関西人の僕が盛り上げ役みたいなところはあるんですけど、女性陣の方が断然面白い。だってモノボケとかしてくるんですよ(笑)。男性陣もっと頑張れと(笑)。でもドラマのストーリーと連動しているような形で徐々に仲良くなっていっているので、それはお芝居の面でもよかったなと思います。


ーー西畑さんはNHKテレビ小説『ごちそうさん』や『あさが来た』、最近だと映画『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』など、現代ではない時代に生きる人物を演じているイメージが強かったのですが、今回のように現代の人物を演じるときと何か演じる上で違いはあるのでしょうか?


西畑:現代の役をやるときは現代の政治であったり風潮を分かっているつもりなので、あまり考えないようにしているかもしれません。逆に昔の人を演じるときは、その時代の背景や景色、歴史、風潮をちょっとでも知っておきたいという意識があるので、そこは勉強するようにしています。例えば『ラストレシピ』だったら、こういう時代だったんだよということも伝えたかったので、満州の時代について調べたりもしました。現代のときは何も調べたりはしないので、その差はありますね。


ーー朝ドラでの経験は西畑さんにとっても大きかったですか?


西畑:そうですね。それこそ『ごちそうさん』は僕が初めてドラマのお仕事をさせていただいた作品だったので、『ごちそうさん』がなければここまでお芝居のことを好きになっていなかっただろうし、本当に大事な作品です。そう思えたのは、杏さんと東出(昌大)さんが作り出してくれた家族感でした。なので、自分が今こうやって好きなお芝居を続けられているのは、杏さんと東出さんのおかげで、お2人が僕のベースを作ってくださったと思っています。『ごちそうさん』で「こういう現場があるならもっといっぱいお芝居したいな」と思えたのがきっかけで、今の僕があると思っています。


ーーゴールデン帯の連続ドラマ出演はこの作品が初めてとなりましたが、この経験を今後どう活かしたいと思っていますか?


西畑:僕自身、何や言うてもアイドルで、アイドルと俳優はまたなんかちょっと違う気がしていて。お芝居の仕事は、今でもまだ、よその庭にお邪魔させていただいている感覚があるんです。事務所の先輩方はたぶんずっと思ってきたことだと思うんですけど、僕にもその考えはすごくある。だから、僕がドラマや映画に出ることによって、関西ジャニーズJr.であったり僕が所属しているなにわ男子というグループだったりが、ちょっとでも知ってもらえればいいなと思っています。それで、僕の活動が関西ジャニーズJr.やなにわ男子に何かいい形で還元できたらいいなと。なので、そのために、今これがやりたいとかではなく、僕はいろんなところでいろんな役を演じたい。そう思えたのも、『ラストレシピ』で共演させてもらった二宮(和也)くんという存在があったからこそ。だから二宮くんにはすごく感謝していますし、こう思えている自分自身が好きなので、それもすごく幸せなことだなと思います。脇役でも主役でも、「西畑くんがいい味出してるよね」と言ってもらえるような、物語のスパイス的な存在になれたら嬉しいですね。


■西畑大吾(にしはた・だいご)
1997年1月9日生まれ、大阪府出身。カンテレ・フジテレビ系『僕らは奇跡でできている』、関西テレビ『大阪環状線 Part4 ひと駅ごとのスマイル』に出演中。


(取材・文=宮川翔)