ランボルギーニのモータースポーツ活動を担うスクアドラコルセは、11月17~18日にイタリア・バレルンガで開催されたランボルギーニ・スーパートロフェオ・ワールドファイナルに合わせて、ブランドの歴史上初となるレーシング・スーパーSUVのワンメイクシリーズ用マシン『ランボルギーニ・ウルスST-Xコンセプト』を発表した。
ワンメイクのレースシリーズとしては初の試みとなる、SUVによるシリーズの開催を目指すスクアドラコルセは、2020年を目処にヨーロッパと中東を含めたFIA公認サーキットでの競技開催を目指すという。
そのワンメイク車両として新規に開発された『ランボルギーニ・ウルスST-Xコンセプト』は、2018年に発表されたロードゴーイング・バージョンとほぼ同時開発され、選手権ではレーストラックとオフロードコースを組み合わせたオンオフ混合のレイアウトで競技を行うことを目指しているという。
同シリーズに出場するアマチュアドライバーやカスタマーには“アライブ&ドライブ”のコンセプトを用いて、レースの週末を通じてマシンのスタンバイや技術サポートを含む完全なパッケージが提供される。
前出のスーパートロフェオや、GT3車両の開発など豊富な経験を有するスクアドラコルセの手による『ランボルギーニ・ウルスST-Xコンセプト』は、市販モデルをベースに機能を最適化。FIA公認の鋼鉄製ロールケージ、消化システム、FT3燃料タンクといったあらゆるセーフティ・デバイスが採用されている。
公開された車両は、マット・ヴェルデ・マンティス(グリーン)のカラーリングが特徴となり、ランボルギーニお得意の“ビジブル・カーボン”仕様となるボンネットフードには、650PS/850Nmを発生する4リッターV8ツインターボの冷却能力を向上させる大型エアアウトレットを追加した。
また小型のリヤウイングを追加して空力効率を改善すると同時に、ボディ左サイドには新たにヘキサゴン・デザインとされたレーシングエキゾーストのエンドパイプが覗き、21インチのセンターロック・レーシングホイールにはピレリPゼロ・コルサがセットされている。
レーシング・バージョンの開発にあたり、スクアドラコルセではベースとなった生産車に対して25%の軽量化も実現。それでいながら、モノコックフレームと一体化されたスチール・ロールケージにより大幅な車体強化とねじり剛性向上も果たしており、サーキットとオフロードで盤石の性能を発揮するレースカーに仕上げられた。
この『ランボルギーニ・ウルスST-Xコンセプト』のトラックデビューは、来季2019年のランボルギーニ・ワールドファイナルで実現する計画となっている。