ニッサン・e.damsが、2018-19シーズンのフォーミュラE開幕戦に向けてアレクサンダー・アルボンとの契約を解消したことを発表。直後にトロロッソ・ホンダがアルボンを19年にレースドライバーとして起用するを正式に発表した。
これで2019年のF1のシートはフォース・インディアの1つが正式に発表されていないが、ランス・ストロールが乗ることは確実なので、すべて埋まったこととなった。
アブダビGPを視察に来ていた国内2冠王者の山本尚貴は、「自分が置かれている状況を考えるとそれは簡単ではないことはわかっていますが、今はまだ1席空いている。可能性は高くはないかもしれないが、その可能性に賭けてみたい」と語っていたが、その希望は発言から2日で潰えてしまった。しかし、山本の夢は完全には消えていない。
アブダビGPでホンダの山本雅史モータースポーツ(MS)部長は次のように語っていた。
「現実論で言うと、この時期にシートが丸々空いているわけがない。当然、トロロッソと(フランツ・)トスト代表をはじめ(レッドブル・ジュニアチームの責任者のヘルムート・)マルコさんもシーズン当初からいろいろと動いていて、ドライバー候補はいないわけじゃない。まずはその候補の中に入ることが大事」
「当然、その話は今週(トロロッソ側とも)しました。そして、レギュラードライバーを選ぶ際には年齢的なことはみんなおっしゃっていました。ただ、『日本のモータースポーツ界やホンダにとってポジティブなことが考えられるのなら、いつでも相談に乗って、(われわれレッドブル側も)何かをやるということは重要だ』とも言ってくれました」
「ホンダとしては、尚貴の今年の頑張りや前向きな態度に対しては何らかの形で応えたいと思っているし、ドライバーとして成長させるためにも、何かできればいいなといろいろな話し合いをしています。たとえば、来年の日本GP鈴鹿でフリー走行を走ることなどは相談の中に入っていけると思います」
もちろん、2019年の日本GPでフリー走行を走ったからといって、その先、レースシートをつかめる保証はない。
「でも、大切なことは少しでも進むこと。F1への切符を取るには、そこまで進まないと取れない。だから、昨日(土曜日)の夜にトスト代表とも話し合いをしました。もちろん、鈴鹿で尚貴を乗せるためには、その前に1回、どこかでしっかりとF1に乗せたいと思っています」(山本MS部長)
最後に、山本MS部長はこう語った。
「たとえ、F1のレースシートを得られなくても、尚貴には国内で無敵だって言われるくらい強くになってほしいので、ドライバーとして成長させる意味でもF1を体験することが大切だと思っています」