11月23日の『モーニングCROSS』(MX系)では、煮えた鍋に顔を押し付けた芸能事務所の社長の件について、フィフィさんがパワハラ報道のあり方についてコメントした。
まず、フィフィさんは
「パワハラとかセクハラとかって多いですけど、そういう風な報道をすることによって、確かに認識が高まって、訴える声も多くなったと思う」
とメディアが"ハラスメント"という言葉を様々なシチュエーションで使っきた影響で、ハラスメントに対する一般人の意識が高まった指摘した。(文:石川祐介)
「加害者と被害者が上司、部下だとパワハラって報道されがち」
ただ、一方でパワハラという括りに違和感を持つこともあるという。「例えば、加害者と被害者が上司と部下ってなると、すぐパワハラって括りで報道されがちじゃないですか?」と組織内での揉め事に対して、何でもかんでも"パワハラ"と括って報道することを疑問視する。
「報道する側からしたら、分かりやすくてとか、キャッチーでっていう風にそういう言葉を使う傾向にあると思うんですけど、見る側からしたら、『これを普通に料理屋さん行ってやられたら傷害事件だよね?』っていう。要するに、パワハラって報じると、逆にすごく軽く感じるんですよ」
煮えた鍋に顔をつける行為は明らかな犯罪行為だ。にもかかわらず、パワハラという言葉を使って報道してしまうと、受け手側に事の重大さが適切に伝わらないと指摘する。フィフィさんは続けて
「これは"いじめ"という言葉にも私は感じるところがあるんですよ。シチュエーションによって、学校の中で起きたからいじめってなるけど、本来であれば暴行事件とか、そういう言葉を使わなきゃいけない」
といじめ報道に対しても似たような現象が見られると話した。
芸能関係者が起こした事件だからこそメディアは厳しく報道するべき
芸能事務所で起きた事件、という点も事態をややこしくしているようだ。フィフィさんは、この件についてツイッターで言及した際、自分の表現に違和感があったので一旦削除して再度ツイートしたところ、「これって芸能プロダクションだから圧力がかかったですか?」「忖度なんですか?」などと言われたという
そのため、「メディアはあえてパワハラという軽い言葉を使って、事件性を緩和させようとしているのでは?」と不信感を抱いている一般人が多いと話す。
「今回の件に関しては、『だからこそ厳しく報じなきゃいけないんじゃないのかな?』っていうのは課題として感じています」
メディアの信頼性を保つためにも、「伝わりやすさ」ではなく「真実」を厳しく追求する姿勢が必要だろう。