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AIはアプリユーザーの行動を90%予測できるーー『少年ジャンプ+』での実証実験結果を発表

2018年11月26日 11:52  リアルサウンド

リアルサウンド

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 モバイルアプリマーケティングツール『Repro(リプロ)』を中心に展開するRepro株式会社のAI・機械学習研究開発チーム「Repro AI Labs」は、株式会社集英社の協力のもと、同社が提供するマンガ誌アプリ『少年ジャンプ+』で、実証実験を行った。


(参考:90年代『少年ジャンプ』作品、電子書籍で今も売れているのは?


 実験内容はAIでアプリから離脱しそうな傾向にあるユーザーを予測できるか、またその予測したユーザーを離脱させないことができるかどうかを検証するというもの。結果は下記の通りだ。


〈『少年ジャンプ+』での実証実験〉
【実証実験のテーマ】
1. アプリから離脱しそうなユーザーをAIで予測ができるか
2. 1で予測したユーザーを離脱させないことができるか
3. 1で予測したユーザーを離脱させないために要したコストは、従来の方法と比較して低いか


【実証実験の内容】
・アプリから離脱しそうな傾向にある(アプリへの再訪確率が低い)ユーザー群をAIが抽出
・抽出されたユーザー群を、実験群と統制群に分け、実験群にはアプリへの再訪を促すため特典付きのプッシュ通知を配信
・実験群のユーザーの再訪率が統制群と比較してどの程度上昇したか、また、その際にかかったコスト(配布した特典の消費量等)が、従来の方法と比べてどの程度減ったのかを検証


結果
1. アプリから離脱しそうなユーザーをAIで予測ができるか
→AIの予測誤差を約10%に留めることができた。


2. AIで予測したユーザーを離脱させないことができるか
→予測したユーザーのうち、再訪確率のより低いユーザーの再訪率が増加したことを確認。このことから、再訪確率の低いユーザーに特典付きのプッシュ通知を配信することで、ユーザーの離脱を防ぐことが可能であることがわかった。


3. 予測したユーザーを離脱させないために要するコストは、従来の方法と比較して低いか
→今回の実験を通じて、再訪確率が高いユーザーに特典付きのプッシュ通知を配信することにより、逆に再訪率を下げてしまうケースがあることも明らかになった。そうした結果も鑑みて、従来の方法で要するコストを次の(1)と(2)の合計としたときと、AIを用いて再訪確率が一定以下のユーザーにのみに施策を実行したときを比較すると、AIを用いることによって、従来の方法で要するコストの85%を削減できることがわかった。


・従来の方法でかかるコスト(1+2)
1.特典付きのプッシュ通知を配信したことで再訪しなくなってしまったユーザーを獲得するためにかかった広告費
2.もともと再訪確率が高く、特典を付与しなくても再訪するユーザーに対して特典を付与し、使用されたことでかかったコスト


・AIを使った場合にかかるコスト
AIが離脱確率が高いと予測したユーザーに対して特典を付与し、その特典が使用されたことでかかったコスト


​ また、今回の実証実験結果を受けて、Reproでは新たなAIを活用した新サービスとして、近日ベータ版をリリースすることが決定した。(リアルサウンド編集部)