トップへ

今田美桜が語る“感謝の年”と変わらぬ感覚 「役に対して、ただただ丁寧に演じたい」

2018年11月26日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 昨年放送の月9『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系、以下『民衆の敵』)で高橋一生の相手役として話題を集めた今田美桜。2018年には『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系)のメインキャストとして登場し本格的にブレイク、先日発売した1st写真集『今田美桜ファースト写真集 生命力』(集英社)は、週間0.7万部を売り上げ、オリコン週間BOOKランキング(11月12日付、集計期間10月29日~11月4日)の「写真集」部門で初登場1位を記録した。今、若手女優の中でも一目置かれている存在である。


 リアルサウンド映画部では、現在放送中の月9ドラマ『SUITS/スーツ』に出演している今田にインタビュー。この1年で彼女の中にどれだけの変化があったのか、その心境を探った。


【写真】『SUITS/スーツ』今田美桜登場シーン


■「1年前と変わらず緊張しています(笑)」


ーー砂里役に決まった時のお気持ちはいかがでしたか?


今田美桜(以下、今田):『民衆の敵』から1年後に2回目の月9ということで驚きましたし、1年前と変わらず緊張しています(笑)。


ーー『民衆の敵』の莉子役や『花のち晴れ』の愛莉役はオーディションで勝ち取った役とのことですが、今回はオファーを受けてのご出演。心境の変化などはありますか?


今田:う~ん、そこは変わらないです。オーディションで取った時と、まったく同じ気持ちですね。


ーー愛莉役での大ブレイクもありましたが、役に臨む姿勢は変わらないと。


今田:そうですね。役に対して、ただただ丁寧に演じたいと思っています。


ーー砂里は唯一のオリジナルキャラクターということですが、意気込みは?


今田:アメリカ版の砂里にあたるジェニーはトレヴァー(日本版で磯村勇斗演じる遊星)の恋人ですが、日本版では妹。大輔(中島裕翔)と聖澤(新木優子)との三角関係だったり似ている部分はあるけど、原作とは違う見え方になると思うので、その違いは感じてもらえるかなと。


ーー役の印象はいかがですか?


今田:砂里は、すごくしっかり者。お兄ちゃんが悪いヤツだから、しっかりしてるんだなと(笑)。だけど大輔と遊星が幼なじみなので、どこか妹っぽいところもあって。やんちゃなお兄ちゃんなので、その血も少しはありつつ正義感が強いんだなと感じています。


ーーしっかり者ということを、どう表現しているのでしょうか?


今田:お兄ちゃんのことを「アニキ」って言うし、言葉遣いはしっかり者のところが出てるのかな。なかなか「アニキ」って言う妹はいないと思うので(笑)。


■「中島さんは、すごく気さくな方」


ーー演じる上での苦労はありますか?


今田:現場では「もっと元気に、もっと明るく」と言われます。それが苦労というか、難しいところですね。自分自身がそんなに明るくないっていうのもあるんですけど(笑)。


ーー兄と好きな人の間に挟まれるという、複雑な役どころですよね。


今田:大輔は秘密を打ち明けてくれている存在でもあるし、応援はしているけど、やっぱりお兄ちゃんも大事。だから2人を会わせたいけど、大輔には、遊星との関係を絶つと約束していることも知っているし。キツい立場ですよね。妹としての自分と、好きな人に対しての自分で、揺れ動くところがあるんだろうなって。


ーー幼馴染に思いを寄せているという立場。ご自身だったらどうしますか?


今田:私自身、男の子の幼馴染的な存在がいないので難しいんですけど……。ガンガンは行けないです。今の関係が崩れないようにというか、安全なほうを取っちゃいますね。とくに砂里はお兄ちゃんの立場もありますし、難しいところですよね。


ーー砂里について、今後の見どころを教えてください。


今田:徐々に聖澤さんとの三角関係が動いていくのですが、8話は砂里的に大きな展開が待っています。嫉妬心が顔に出ちゃったり、女としての砂里が(笑)。これからどうなるのかなと私自身も思っているし、見ている方もビックリされると思います。


ーー撮影も半ばですが、現場の雰囲気はいかがですか?


今田:中島さんは、急にセリフ合わせをして下さったり、すごく気さくな方で。私が福岡(出身)だからか、6話の「漬物を漬けたんだって」というセリフがどうしても言えなくて。「(電気を“点けた”のイントネーションで)漬けた」って連呼していたら、中島さん含めスタッフさんに「今の違う」って言われたり(笑)。本番中も「今から言うぞ!」っていうのが伝わったらしく、笑ってくださったりしましたね。音声さんとかも「あぁ~、言えなかったぁ~」みたいな(笑)。新木さんも本当に気さくな“お姉ちゃん”という感じで、すごく楽しく過ごさせていただいています。


ーー撮影を振り返り、思い出に残っていることは?


今田:磯村さんか私のどっちかがいると、必ず雨が降るんです。「谷元兄妹は雨男雨女だ」という現場の雰囲気があるので、アニキと「違うぞ」って訴えています(笑)。アニキとのシーンは100%ロケなので、雨待ちとか、雨が降って撮れなかったとか、本当に多いですね。(仕事を始めてから雨に悩まされるのは)この現場が初めてですが、高校の時はたしかに雨女って言われていました(笑)。


ーー砂里として、印象に残っているシーンを教えてください。


今田:いろいろあるなぁ。でも、初めて聖澤さんに会った時に大輔を「大貴」と言っちゃったり、6話では「大貴って呼んでいいかな?」っていうセリフがあって。「みんなからは『大輔』って呼ばれているけど、私の中では『大貴』だし」というシーンは、(大貴を)小さい時から知っているという砂里の思いが込められていると思うので、印象的でした。


ーー砂里が、大輔のネクタイを直すシーンも印象深いです。


今田:砂里は、単純に知らないだけなんです。聖澤さんが直したネクタイを何も知らずに直しちゃうということで、台本を読んだ時は爆笑でした。


ーー視聴者としては「大輔は、私のものよ」という感じに見えましたが……。


今田:そうですよね。でも砂里は知らないままやっているので、それはそれで罪だなとは思います(笑)。


ーー大輔、遊星、砂里が3人で写った制服姿の写真も素敵でした。


今田:あの写真は、本当に一瞬で撮ったんですよ。中島さんと磯村さんが高校2年生で、私が中学生という設定だったので、ヘアメイクさんに「中学生に見えるかな? 大丈夫かな?」とか、すごく聞いたりして(笑)。あまりおふたりの制服姿を見る機会もないですし、一瞬でしたけど楽しかったです。


ーー今作は、大輔と遊星の友情も見どころですよね。


今田:男の友情はアツいですよね。遊星と大輔も、やっぱりちっちゃい時からの仲なので、切っても切りきれないというか。


ーー今田さんご自身も、2人のような関係性のご友人はいらっしゃいますか?


今田:います、います! 福岡時代から仲がいい友達が東京にもいたりするので、もしもの時には絶対助けちゃうと思いますね。友達とは結構頻繁に会っています。今日あったことを話したり、深い話もしたり……すごく助けられているし、原動力にもなっています。


■「2018年は感謝の年でした」


ーー充実した1年だったと思いますが、その中で気づいた自分の新たな一面はありますか?


今田:なんだろうなぁ、全然思いつかない(笑)。新しい役もそうですし、新しい方との出会いは色々ありましたけど……。あ、私って、意外とお腹が痛くなりやすいんだなって気づきました(笑)。


ーー(笑)。2度目の月9も、1年前と同じく緊張されたとおっしゃっていましたもんね。緊張感は、まったく変わらないですか?


今田:変わらないですねぇ。今回もキャストの方が皆さん「初めまして」だったので、顔合わせの時は顔が固まりそうでした(笑)。なかなか慣れないというか、緊張しいが取れなくて。少しは治したいんですけど。


ーー先ほど、色々な出会いがあったというお話でしたが、先輩からのお声がけで印象的だった言葉はありますか?


今田:中井貴一さんとご一緒させていただいた時に、「お前は30点台で行け」と言われたことがあって。「100点じゃなくていいんだよ」っていう。その言葉は、どこか楽になるというか、ホッとするところがありましたね。


ーー「がんばりすぎなくていい」ということでしょうか?


今田:それにしても30点台って、かなり低めですよね(笑)。でも、中井さんにはたくさんご迷惑をおかけしてしまったので……。どういう意味だったのかはわからないですが、勝手に良いように捉えています(笑)。


ーーきっと、良い意味ですよ(笑)。今田さんにとって、2018年はどんな年でしたか?


今田:多くの作品に出させてもらいましたが、それぞれすごく刺激のある現場で、いろいろ吸収させていただきました。学園モノでたくさんの方々に名前を知ってもらえたりもして、感謝の年だったなって。来年も女優さんとして、さらにいろんな役ができるようにがんばりたいです。


ーー昨年のインタビューの際、「緊張が“楽しい”に変わることも知ったので、今後もさらに楽しめたら」とおっしゃっていました。あれから1年。演じることが、より楽しくなっていると感じますか?


今田:それは本当に感じますね。同じ女の子でもいろんな子がいるなぁとか思ったり、毎回毎回違う役をやらせていただけるので、すごく楽しいです。


(nakamura omame)