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F1アブダビGP決勝:王者ハミルトンが貫禄の優勝、ガスリーはまたしてもトラブル

2018年11月26日 00:31  AUTOSPORT web

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2018年F1第21戦アブダビGP ルイス・ハミルトンが優勝
11月25日現地時間午後5時10分、アブダビGP決勝が行なわれメルセデスのルイス・ハミルトンが優勝を飾った。日が西に傾き気温は32度、路面温度は34度というコンディション。


 日没は午後5時34分で、レース中に夕焼けから夜空へと変わっていく。多くのセレブリティが詰めかけ華やかさが漂う反面、このレース限りでF1を去るフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)はもちろん、チームを離れるドライバーも少なくないためスターティンググリッド上では記念撮影を行なうなどしんみりとした雰囲気も。

 予選Q3進出組の上位5台はウルトラソフトタイヤ、6番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)から10番手ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)まではハイパーソフトタイヤでのスタート。Q3に進まなかった11番グリッド以下ではカルロス・サインツJr.(ルノー)、セルジオ・ペレス(フォース・インディア)、アロンソ、ブレンドン・ハートレー(トロロッソ・ホンダ)がウルトラソフトでそれ以外の全車が初期ペースでもデグラデーションでも優れているスーパーソフトタイヤをスタートに選んだ。

 予選でエンジントラブルに見舞われたピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)はアメリカGPで使用し組み立て不良の問題が懸念されていたものの、その後のチェックで問題のなかった中古のパワーユニットに載せ換えた。今回は同じスペックであったためグリッド降格ペナルティはなく予選結果通りの17番グリッドからスタートすることになった。


 スタートでハミルトンが首位を守り、これにバルテリ・ボッタス(メルセデス)、フェラーリ勢が続く。フェルスタッペンはエンジン温度に問題が発生して加速が鈍く出遅れてしまった。

 ターン9でロマン・グロージャン(ハース)と接触したヒュルケンベルグのマシンが宙に浮き上がり、横転しながらアウト側のテックプロバリアに激突し裏返しのままになる。これでセーフティカーが導入され、ハートレーはこの間にフロントウイングとタイヤを交換している。なおこのグロージャンとヒュルケンベルグの事故は、レーシングアクシデントして処理されペナルティは出されなかった。

 順位はトップのハミルトン、2番手ボッタス、3番手ベッテル、4番手キミ・ライコネン(フェラーリ)、5番手にはバックストレートでダニエル・リカルド(レッドブル)を交わしたシャルル・ルクレール(ハース)、6番手リカルド、7番手グロージャン、8番手エステバン・オコン(フォース・インディア)、9番手にフェルスタッペン、10番手ペレス。ガスリーは13番手にポジションを上げ、ハートレーは19番手からスーパーソフトに換えて実質ノンストップで最後まで走り切る作戦に出る。

 レースは5周目に再開。依然としてエンジンのオーバーヒートに苦しむフェルスタッペンはバックストレートでペレスにパスされたものの、次のバックストレートで再び抜き返す。

 6周目のターン7で接触しながらオコンを抜くフェルスタッペンだが、またしてもバックストレートで抜き返され、そして2本目のバックストレートでさらに抜き返して8番手に上がる。


 7周目、ライコネンのマシンがスローダウンしメインストレートでストップ。ルクレールが4番手に浮上する。これでバーチャルセーフティカー(VSC)が導入されハミルトン、ルクレール、グロージャンがピットインしてタイヤをスーパーソフトに換え最後まで走り切る作戦に出た。

 8周目のセクター3でレースは再開。5番手に下がったハミルトンは前のフェルスタッペンに襲いかかりパスするが、2本目のバックストレートで抜き返される。ルクレールは12番手、グロ-ジャンは16番手まで落ち、各車ともタイヤを守るためにペースを抑えて走るためレースは膠着状態となった。

 15周目にベッテルがピットイン。スーパーソフトに履き替えてオコンの後ろ6番手に戻るがすぐにパスして5番手に浮上する。翌16周目にはボッタス、17周目にフェルスタッペンがピットインしてスーパーソフトに換え、この順位のままでハミルトンの後方に戻る。

 首位に浮上したリカルドは1分44秒台前半のペースをキープして走り続ける。ハミルトンはボッタスに8秒の差をつけ、その後ろにはベッテル、フェルスタッペンが僅差で続く。


 23周目、メインストレート周辺で小雨が降り始め、ターン7からバックストレートで一時的に雨脚が強くなるが、各車ともドライタイヤで走り続ける。

 25周目にエリクソンがパワーを失ってスローダウンしリタイア。雨が通り過ぎたところで26周目にはペレスがピットインし、27周目にアロンソも続き、28周目にはガスリーもピットイン。

 他とは違ってウルトラソフトの新品に履き替え、アロンソの前をキープして前のセルゲイ・シロトキン(ウイリアムズ)を追いかける。その前には1周目にピットインしたハートレーが走る。トロロッソ・ホンダは戦略の異なる2台にポジションの入れ換えを指示し、33周目にすんなりとこれを実行した。

 33周目、ついにリカルドがピットインして5番手まで後退。ここではスーパーソフトを選ぶ。ボッタスは35周目のターン9で左フロントを大きくロックさせてコースオフし、ペースが低下。ベッテルに抜かれ、フェルスタッペンにも背後に迫られてしまう。

 38周目のターン11~12でボッタスのインを突いてフェルスタッペンが前に出る。さらに39周目にはリカルドもバックストレートでボッタスをパスし、ボッタスは3強チーム最下位の5番手まで後退してしまった。

 37周目に中団トップのサインツがピットインを行ない、ルクレールの5秒前6番手をキープしたままコース復帰を果たした。マグヌッセンがピットインを済ませると全車のタイヤ交換が終わり、ガスリーは11番手に浮上。しかし前のグロージャンとは3秒差がなかなか縮まらず、逆にマグヌッセンが速いペースで迫る。




 首位ハミルトンは2番手ベッテルに5秒の差をキープしたまま周回を重ね、ボッタスは40周目にピットインして新品のウルトラソフトに履き替えて1分40秒953のファステストラップを刻むが4番手リカルドは25秒前方。3番手フェルスタッペンはベッテルの3秒後方、リカルドもその2秒後方で虎視眈々と前を狙う。

 46周目にオコンはリヤエンドから白煙を上げてスローダウンしピットイン。しかしピットレーン入口でストップしてしまう。47周目にはガスリーのリヤ右側からも白煙が上がり、走り続けるが止めるようピットから指示を受けてターン14でストップしリタイアとなった。

 上位は4台がそれぞれ約4秒差で走行。フェルスタッペンのペースがじわじわと下がっていくが、最後まで順位は変わらずハミルトンが危なげのない走りで最終戦を勝利で飾った。

 2位ベッテル、3位フェルスタッペンの表彰台。リカルドは4位、ボッタスは5位でレースを終えた。中団グループのトップは6位サインツ、7位はルクレールでペレスは0.764秒差まで迫ったものの8位。9位・10位にハース勢が入りダブル入賞を果たした。

 引退戦のアロンソは11位でフィニッシュし、ターン9カットで5秒加算ペナルティを科されたもののそのままのポジションを手にした。ハートレーは12位。ウイニングランではハミルトンとベッテル、さらにはアロンソまでもが揃ってドーナツターンを披露し、2018年シーズンの閉幕を祝った。