11月24日現地時間午後5時、アブダビGP予選が行なわれメルセデスのルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得した。日中は気温が30度を超える暑さだが、日が傾いて気温は28度、路面温度は32度まで下がってきた中でのセッション開始となった。
フリー走行3回目でピット入口白線カットのあったキミ・ライコネン(フェラーリ)は戒告処分、ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)との接触があったロマン・グロージャン(ハース)はセッション直後にガスリーの元を訪れて謝罪したが、チームから無線でガスリーの接近を知らされておらずブラインドコーナーで後方確認ができていなかったこともあり、両者お咎めなしの裁定となった。
中団勢はQ1の開始直後からハイパーソフトタイヤでアタックに出ていき、上位勢は路面コンディションの改善を狙ってピットガレージで待機を続けるが5分を過ぎたあたりから続々とハイパーソフトでアタックに入る。
1回目のアタックではフェラーリ勢がメルセデスAMG勢を上回り、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が1分36秒946でトップ。しかし0.064秒差で2番手ライコネン、0.076秒差で3番手ハミルトンと僅差で続いた。4番手・5番手にレッドブル勢が続き、バルテリ・ボッタス(メルセデス)は6番手に留まった。
中団グループのトップはニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)で1分37秒569。トロロッソ・ホンダ勢も11番手ブレンドン・ハートレー、12番手ピエール・ガスリーと好位置につけ、ハートレーとマクラーレン勢は早めのアタックで3回のランを行なっていく。
メルセデスAMG勢は1セットで2周計測を行ない、ボッタスはその2周目で首位ベッテルに0.014秒差の2番手、ハミルトンも0.053秒差の3番手まで迫ってきた。
残り3分で各車が最後のアタックに出ていき、シャルル・ルクレール(ザウバー)がセクター1と2でベストタイムを記録して0.349秒差の7番手、エステバン・オコン(フォース・インディア)は0.161秒差の4番手に飛び込むなど、トップから1秒以内に13台がひしめく大混戦。
そんな中でガスリーがアタックラップの最終コーナー手前でリヤエンドから白煙を上げ「パワーを失った! 白煙が出ている!」とマシンを停めて17番手でQ1敗退。
ハートレーも最後のアタックで0.2秒しかゲインできず16番手で、トロロッソ・ホンダ勢はまさかの2台Q1敗退となってしまった。18番手はターン20のソーセージ縁石に乗ってしまったストフェル・バンドーン(マクラーレン)、19番手・20番手のウイリアムズ勢がQ1敗退となった。
トップ10にとっては決勝のスタートタイヤを決めることになるQ2では、燃料搭載量が重いマシンではハイパーソフトのグレイニングがひどくライフが短いため、上位勢が揃ってウルトラソフトタイヤを履いてコースイン。フォース・インディア勢もウルトラソフトで1回目のアタックに出た。
ここでハミルトンは1分35秒693でトップ、これにボッタス、ライコネン、ベッテル、リカルドの順で続き、中団トップはカルロス・サインツJr.(ルノー)でハイパーソフトながら1.289秒差。ただしウルトラソフトのフェラーリ勢とは0.2秒ほどの差しかなく、フェラーリとしては2回目のアタックの扱いが難しくなる。
フォース・インディア勢はルノー勢とハース勢、ザウバー勢の後ろで12番手・13番手に留まる。アタックに出るのが遅かったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はアタックが上手くまとめられず10番手。
残り4分を切ったところで各車が2回目のアタックに入り、1秒のギャップを持つメルセデスAMG勢は余裕を持ってハイパーソフトでタイムを記録することなくQ3のアタック練習。
ベッテルはウルトラソフトでもう1回アタックを行ない、ライコネンはハイパーソフトでQ3の練習を行なうと同時に周囲のタイムを見てタイムを記録することも想定してアタックを行なう。レッドブル勢は2台ともにハイパーソフトを履いてアタックを開始する。
この2回目のアタックラップでルクレール、ヒュルケンベルグ、グロージャンと続々とフェラーリ勢のタイムを上回っていき、ベッテルはウルトラソフトでハミルトンから0.652秒差のタイムを記録して3番手に浮上。
フェルスタッペンはハイパーソフトで0.451秒差の2番手、1回目のタイムで10番手に留まることができたライコネンとリカルドはタイムを記録することなくウルトラソフトのままQ2通過を決めた。
結果的にベッテルも最初に記録したタイムでQ2を通過することは可能だったはずだが、ウルトラソフトを余分に1セット使い、なおかつ1回目以上にプッシュしたタイヤで決勝をスタートすることになる影響が懸念される。
11番手サインツ、12番手マーカス・エリクソン(ザウバー)、13番手ケビン・マグヌッセン(ハース)、14番手セルジオ・ペレス(フォース・インディア)、15番手フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)がQ2で敗退となった。
Q3は1回目のアタックから全車がハイパーソフトを投入。ただし新品が1セットしか残っていないルクレールとオコンは、中古での確認走行を行なう。
ターン8で僅かに左フロントをロックさせてエイペックスにつけなかったハミルトンはターン14出口、ターン18入口でも挙動を乱すものの1分35秒295を記録してトップに立つ。ベッテルは0.057秒差の2番手、ボッタスが0.124秒差の3番手、リカルドは0.159秒差の4番手と上位6台は0.3秒以内にひしめく大接戦となった。
1回目の中団トップはグロージャンで1分36秒192、0.35秒離れてヒュルケンエルグが8番手に続く。
残り3分で各車がハイパーソフトの新品を履いて最後のアタックへ。上位はメルセデスAMG勢、レッドブル勢、フェラーリ勢の順でコースインする。
ハミルトンはここで完璧なアタックラップを決めて1分34秒794を記録してポールポジションを獲得。ボッタスも0.162秒差の2番手でメルセデスAMG勢がフロントロウ独占を決めた。
ベッテルは0.331秒差の3番手、ライコネンが0,571秒差の4番手で2列目グリッド。リカルドが0.607秒差の5番手、ピットアウト時からタイヤの温度が高くアタック開始までに適正な温度に準備できなかったフェルスタッペンは0.795秒差の6番手に終わった。
7番手グロージャン、8番手ルクレール、9番手オコン、10番手ヒュルケンベルグという最終結果になった。